TS-BASE 物流

2024.07.26

フルフィルメントとは?主なプロセスやフルフィルメントサービス導入のメリット・デメリット

フルフィルメントとは?主なプロセスやフルフィルメントサービス導入のメリット・デメリット

フルフィルメントとは商品の保管、梱包、発送、そしてアフターサポートに至るまで、物流業務の過程を意味する言葉です。

この記事では、フルフィルメントの基本的な概念とその主なプロセス、さらにフルフィルメントサービスを導入することで得られるメリット・デメリットについて詳しく解説します。

目次

フルフィルメントとは?

フルフィルメントとは、商品の注文から顧客の手に届くまでの一連のプロセスのことです。具体的には、注文の受け付け、在庫管理、商品のピッキング(取り出し)、パッキング(梱包)、出荷、配送、そして場合によっては返品処理などが含まれます(後述)。

フルフィルメントは、顧客満足度を高め、ビジネスの効率を向上させるために重要な役割を果たします。

フルフィルメントと物流、ロジスティクスとの違い

フルフィルメントと混同しやすい言葉に、「物流」と「ロジスティクス」があります。それぞれの意味を整理しておきましょう。

  • フルフィルメント:顧客が商品を注文してから手元に届くまでの一連のプロセスのことです。商品を適切に在庫管理し、注文を受け付け、ピッキング(注文された商品を倉庫から取り出すこと)、パッキング(商品を梱包すること)、配送、そして顧客へのアフターサービスまで含まれます。
  • 物流:商品や材料を生産地から消費地まで効率的に移動させるための活動全般のことです。輸送、倉庫保管、荷役(荷物の取り扱い)、包装、流通加工(必要に応じた商品仕上げ)などが含まれます。
  • ロジスティクス:原材料の調達から生産、在庫管理、輸送、配送、そして顧客への最終納品までの全体的なプロセスといったモノの流れを一元管理することがロジスティクスです。

物流はフルフィルメントよりもさらに広い範囲での活動を表す言葉で、その物流を管理することをロジスティクスと表現します。

ロジスティクスについては、こちらの記事で詳しく解説しています。


ロジスティクスとは?物流との違いや役割、重要性を紹介

物流とロジスティクスは混同されがちな言葉ですが、物流は製品やサービスの具体的な運搬や保管に焦点を当てる一方、ロジスティクスは更に広範なプロセスにフォーカスします。本記事では、この2つの概念の違いや役割について解説します。

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フルフィルメントの主なプロセス(業務)

フルフィルメントには、以下のようなプロセス(業務)が含まれます。

1. 注文処理

顧客からの注文を受け取り、その情報をシステムに入力するプロセスです。注文内容を確認し、在庫状況や支払いの確認を行います。

具体的な業務

  • 注文受け付け:オンラインショップや電話、メールなどで受け取った注文を処理します。
  • 在庫確認:注文された商品の在庫を確認し、在庫が不足している場合は発注や仕入れの手続きを行います。
  • 支払い確認:クレジットカードや銀行振込などの支払いが完了しているか確認します。

2. 在庫管理

倉庫内の在庫を管理し、必要に応じて補充を行うプロセスです。リアルタイムで在庫状況を把握し、適切な数量を維持します。

在庫管理についてはこちらの記事で解説しています。


在庫管理の基礎知識 | 目的・やり方・システムのメリットなどを解説

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Frequency Identification)を用いれば、ものの情報を即時に、正確に読み取ることができ、入庫・出庫管理や棚卸をスムーズに行えます。また、在庫補充のタイミングやルールをシステムに設定しておけば、条件に合致した時点でメッセージが表示されるといった仕組みがあり、発注し忘れによる在庫切れを防ぎます。ヒューマンエラーの防止により、トラブルの発生やミスの後処理作業も未然に防げるため、業務効率化や顧客満足度の向上にもつながるでしょう。常に正確な在庫数を把握できる正確な在庫情報の把握と共有は、スムーズな取引に欠かせません。情報共有が不十分であると、在庫が不足しているにも関わらず注文を受け付ける、在庫の補充後も「入荷待ち」として注文見合わせのままにしてしまうといった事態が起こります。在庫管理システムを活用すれば、受発注管理業務や在庫管理業務に関わる全ての関係者が、常に正確な在庫数を把握できるようになります。インターネットとWebブラウザがあれば情報にアクセスできるため、倉庫や店舗、外出先などからの在庫確認も可能です。正確な情報共有により、期限が近い商品を割引したり、過剰在庫を在庫が不足している別の倉庫に移動させたりなど、部門間や拠点間の連携も促進されるでしょう。管理コストや人件費を削減できる在庫管理システムによって、これまで手で行っていた作業のシステム化や効率化が可能になり、管理コストや人件費の削減につながります。効率化により生み出されたリソースをより重要な業務や新しい事業に投資し、事業をより加速させていくことができるでしょう。作業の自動化は、現場社員やスタッフの仕事を奪うものではなく、より意義のある仕事に割り当てられるという意味があります。より重要で高い能力が求められる業務に従事できることは、彼らのキャリアにとってもメリットとなるでしょう。業務の属人化を防げるシステムによる在庫情報の一括管理は、業務の属人化を防ぎ、標準(マニュアル)化を促進します。システムに全ての情報が集約されていれば、担当者間の情報共有や社員の退職や異動に伴う引き継ぎ、休暇中のサポートもスムーズに行えます。個人の知識やスキルに依存しない業務フローの確立と、より確実な受発注管理や在庫管理が実現するでしょう。在庫管理システムのメリットについては、こちらの記事でも詳しく解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。在庫管理はシステム活用で効率化適正な在庫管理は、生産性の向上やコストの効率化、顧客満足度の向上に不可欠な要素です。ロケーション管理や入出庫管理、棚卸などの各作業を適切に行うことで、余剰在庫や在庫不足の防止につながります。一方で、季節や時代、トレンドによって変化する顧客ニーズに柔軟に対応することは簡単ではなく、在庫管理業務には、作業やコストに無駄が生じてしまいがちです。発注のタイミングや数量が現場担当者の判断に委ねられているアナログで非効率な在庫管理から脱却したい業務を標準化し、部門間や拠点間の連携を強化したいこのようなお悩みやご要望をお持ちの方は、ぜひ「TS-BASE 受発注」を販売する竹田印刷にご相談ください。TS-BASE 受発注は、受発注システムと倉庫管理システム(WMS)が一気通貫となったシステムです。受注・発注から倉庫管理、物流・配送まで、企業の受発注業務をワンストップでサポートいたします。TS-BASE 受発注には、ロケーションの目安となる「棚ラベル」の自動生成、在庫数が発注点を下回った際のリマインド、使用期限を加味した出荷指示などのさまざまな機能が搭載されています。入荷時の在庫数と出荷実績から、倉庫に実在する在庫数や出荷準備中の在庫数などを自動で算出するため、ミスが発生しやすい手作業をできるだけ削減可能。もちろん、注文システムや管理システムなどにもリアルタイムで同期されます。導入時には経験豊富な担当者がお客様の業務やお悩みをヒアリングし、50種類以上ある豊富な機能から最適な利用方法をご提案いたします。ぜひお気軽にお問い合わせください。

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具体的な業務

  • 在庫監視:在庫数量を常に監視し、適正在庫を保つために補充や発注を行います。
  • 在庫補充:在庫が少なくなった場合、サプライヤーからの仕入れや自社製造を行います。
  • 棚卸し:定期的に物理的な在庫確認を行い、システム上の在庫数量と一致しているか確認します。

3. ピッキング

注文に応じて、倉庫内から商品を取り出すプロセスです。正確で効率的なピッキングが求められます。

ピッキングについてはこちらの記事で解説しています。


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物流倉庫内でのピッキング作業を正確に行うことは、配送までの効率向上やコスト削減に直結し、お客様へのスムーズな製品提供に寄与します。この記事では、ピッキング作業の基本的な種類から効率化のコツなどを紹介します。

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具体的な業務

  • ピッキングリスト作成:注文に基づき、ピッキングリスト(取り出す商品とその数量のリスト)を作成します。
  • 商品取り出し:リストに従い、倉庫内から商品を正確に取り出します。
  • 確認作業:取り出した商品が注文内容と一致しているかを確認します。

4. 梱包

商品を梱包し、出荷の準備を行うプロセスです。適切な梱包材を使用して商品を保護します。

具体的な業務

  • 梱包材選定:商品に適した梱包材を選び、商品の破損や汚れを防ぐように梱包します。
  • ラベリング:出荷先や注文情報を記載したラベルを貼付します。
  • 最終確認:梱包内容が正しいか、ラベルに誤りがないかを最終確認します。

5. 出荷と配送

梱包された商品を配送業者に渡し、顧客の元に届けるプロセスです。配送業者との連携が重要です。

具体的な業務

  • 配送業者選定:目的地や配送方法に応じて適切な配送業者を選びます。
  • 出荷手続き:配送業者に商品を引き渡し、出荷手続きを行います。
  • 追跡と通知:出荷後、追跡番号を顧客に通知し、配送状況をリアルタイムで確認できるようにします。

6. 返品処理

顧客から返品された商品を受け取り、在庫に戻すなどの対応をするプロセスです。

具体的な業務

  • 返品受付:返品の理由や商品の状態を確認し、返品を受け付けます。
  • 検品と分類:返品された商品を検品し、再販可能なものと不良品を分類します。
  • 在庫戻し:再販可能な商品を在庫に戻し、不良品は適切に廃棄または修理を行います。

フルフィルメントサービスとは?

ここまでに紹介したフルフィルメントを外部の専門業者が代行するサービスも存在します。一般的にこのようなサービスは「フルフィルメントサービス」と呼ばれます。

フルフィルメントサービスを導入するメリット

フルフィルメントサービスを導入することにはどのようなメリットがあるのでしょうか。

  • 業務効率化:専門業者に委託することで、物流業務の効率が向上します。特に、在庫管理や注文処理のプロセスが自動化され、正確かつ迅速な処理が可能になります。これにより、顧客満足度が向上し、リピート率が高まります。また従業員のリソースをコア業務に集中させることもできるでしょう。
  • 高い拡張性と柔軟性:フルフィルメントサービスを利用することで、業務量の変動に柔軟に対応できます。季節的な需要の増減や新製品の発売時などに、迅速に対応できる体制を整えることが可能です。また急な需要増加にもスムーズに対応できます。
  • 高いサービス品質:フルフィルメントサービスは物流の専門家であり、高い精度と効率で業務を行います。これにより注文処理や配送のミスが減少し、顧客満足度の向上が期待できます。また返品処理などのアフターサービスもスムーズに行えるでしょう。
  • データ分析と改善提案:フルフィルメントサービスでは、物流プロセスに関するデータを収集・分析し、業務改善の提案などのサポートを行っている場合があります。これにより継続的な業務改善が可能となり、効率化やコスト削減が期待できるでしょう。

フルフィルメントサービスを導入するデメリット

フルフィルメントサービスの導入にはメリットが多い一方、場合によってはデメリットの方が大きくなってしまう可能性もあります。ここではフルフィルメントサービス導入のデメリットを紹介します。

  • 費用の増加:初期導入費用や継続的なサービス利用料が発生するため、物流業務にかかる費用が増加する可能性があります。特に小規模企業やスタートアップにとっては、これが大きな負担になるかもしれません。
  • コントロールの喪失:業務を外部業者に委託することで、自社の物流プロセスに対するコントロールが減少します。品質管理やサービスレベルの維持が難しくなることで、顧客満足度に影響を与える可能性があるでしょう。
  • コミュニケーションの課題:外部業者との間で適切なコミュニケーションを行うことが難しい場合があります。情報共有や問題解決のスピードが遅れると、業務の円滑な遂行に支障をきたすかもしれません。
  • カスタマイズの制限:フルフィルメントサービスは一般的な業務プロセスに基づいて提供されることが多いため、自社独自のカスタマイズが難しい場合があります。
  • データセキュリティのリスク:機密情報や顧客データを外部業者に共有するため、データセキュリティのリスクが伴います。適切なセキュリティ対策が講じられていない場合、データ漏洩や不正アクセスのリスクが高まるので情報セキュリティ対策をしっかり行っている業者を選定するなど注意が必要です。

フルフィルメントサービスの選び方

フルフィルメントサービスは世の中にたくさんあります。実際にフルフィルメントサービスを導入することになった場合、どのサービスを利用すればいいのか迷ってしまうかもしれません。ここではフルフィルメントサービスを選ぶ際のポイントを紹介します。

サービス内容とロケーションの確認

まず、自社が求めるサービス内容と業者が提供するサービスが一致しているかを確認します。また業者の倉庫や拠点の位置が、自社の主要な配送エリアに近いかも確認しましょう。配送エリアに近い業者を選ぶことで、配送時間の短縮やコストの削減が期待できます。以下のような項目をチェックしましょう。

  • 在庫管理:正確な在庫管理ができるか。
  • 梱包・発送:梱包品質や発送スピードが適切か。
  • 返品処理:迅速かつ効率的に返品処理が行えるか。
  • 倉庫・拠点の場所:自社の主要な配送エリアに近いか。

費用の確認

フルフィルメントサービスの費用について、以下の点を確認します。

  • 初期導入費用:設定費用やシステム連携費用など。
  • 運用費用:月額料金や取扱量に応じた料金。
  • 追加費用:特別対応や繁忙期の追加料金。

テクノロジーとシステムの対応力

最新のテクノロジーやシステムを導入しているかを確認します。主に以下の点をチェックしましょう。

  • 在庫管理システム:リアルタイムの在庫管理ができるか。
  • 注文管理システム: スムーズな注文処理が行えるか。
  • トラッキング:出荷後のトラッキング情報を提供できるか。

拡張性と柔軟性

業務量の変動に対応できる柔軟性を持っているか確認します。

  • 拡張性:業務量の増減に対応できるか。
  • 柔軟性:自社のニーズに沿ったカスタマイズ対応が可能か。

実績と信頼性

業者の実績や信頼性を確認します。

  • 顧客評価:他の企業の評価や口コミ。
  • 業歴:業界での実績年数。
  • トラブル対応:トラブル発生時の対応力。

カスタマーサポート

業者が提供するカスタマーサポートの質を確認します。

  • サポート体制:サポート対応時間や対応方法(電話、メール、チャット)。
  • 問題解決力:問題発生時の対応速度や解決力。

データセキュリティ

業者のデータセキュリティ対策を確認します。

  • データ保護:顧客データや取引データの保護対策。
  • セキュリティ認証:ISMS認証・Pマークなどのセキュリティ認証を取得しているか。

コミュニケーション

業者とのコミュニケーションのしやすさを確認します。

  • 担当者の対応:担当者が親切かつ迅速に対応してくれるか。
  • 情報共有:業務状況やトラブル発生時の情報共有が円滑か。
  • 企業文化:自社と業者の企業文化や価値観が一致しているか。

フルフィルメントについて理解しよう

フルフィルメントは物流業務に携わるなら意味を理解しておきたい言葉です。またフルフィルメントサービスは、物流業務の効率化と顧客満足度の向上に大いに役立つ一方で、導入に際してはコストや管理の複雑さといった課題も伴います。これらのメリット・デメリットを理解し、自社のビジネスモデルやニーズに最適なサービスを選ぶことが重要です。

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