TS-BASE 物流
2024.07.24
物流の基本的な流れ(業務プロセス)と効率化の方法、よくある課題とその対策を紹介
商品が生産地から消費者の手元に届くまでの流れをスムーズに管理することは、企業の競争力を左右する大きなポイントです。本記事では、物流の基本的な流れや効率化のための方法、そしてよくある課題とその解決策について詳しく解説します。
そもそも物流とは何かを知りたい方は、こちらの記事をご覧ください。物流の概念を紹介しています。
目次
物流の主な流れ(業務プロセス)
物流は基本的に以下のような流れ(業務プロセス)で進んでいきます。
- 受注管理
- 在庫管理
- 入荷
- 保管
- ピッキング
- 梱包
- 出荷
- 配送
それぞれの業務について詳しく見ていきましょう。
1. 受注管理
受注管理は顧客からの注文を受け付け、内容を確認し、受注管理システムに登録する作業です。より具体的に業務内容を解説すると、注文内容の確認、在庫の確認、支払いの確認、納期の調整などが該当します。
正確な受注管理は、後続の物流プロセス全体の効率と正確性に大きく影響します。自動化されたシステム(受発注システム)などを使用することで、人的ミスを減らし、迅速な処理が可能です。
受注管理については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
2. 在庫管理
在庫管理は商品の入庫、保管、出庫の状況を把握し、適切な在庫レベルを維持する作業です。在庫の追跡、補充のタイミングの管理、棚卸しが含まれます。在庫管理システムを使用することで、リアルタイムで在庫状況を把握し、在庫不足や過剰在庫を防ぐことが可能です。適切な在庫管理は、顧客満足度の向上とコスト削減に寄与します。
在庫管理については、こちらの記事でより詳しく解説しています。
3. 入荷
入荷はサプライヤーから納品された商品を受け取り、検品、倉庫に格納する作業です。入荷作業には、納品書の確認、商品の数量と品質のチェック、バーコードのスキャン、在庫システムへの登録が含まれます。
正確な入荷作業は、その後の在庫管理やピッキング作業の精度を高めるために重要です。
4. 保管
保管は商品を適切な場所に保管し、管理する作業です。保管方法には、パレット、棚、ラックなどがあり、商品の種類や特性に応じて最適な保管方法を選択します。保管場所を効率的に管理することで、スペースの有効活用とピッキング作業の効率化が可能です。
また温度管理や防塵・防湿対策など、商品の品質を維持するための環境管理も重要になります。
5. ピッキング
ピッキングは顧客の注文に基づいて、倉庫内から商品を取り出す作業です。正確かつ迅速なピッキング作業は、出荷時間の短縮と誤出荷の防止につながります。またピッキングリストやバーコードスキャンなどのツールを活用することで、作業の精度を高めることができます。
ピッキング作業については、こちらの記事で詳しく解説しています。
6. 梱包
梱包はピッキングされた商品を適切な形で包装し、発送準備を整える作業です。梱包の際には、商品の保護、輸送中の安全性、開封のしやすさなどを考慮し、適切な梱包資材の選定や、緩衝材の使用、ラベル貼付などを行う必要があります。
効率的な梱包作業は、配送コストの削減と顧客満足度の向上に寄与します。
7. 出荷
出荷は梱包が完了した商品を配送業者に引き渡す作業です。出荷業務には、出荷リストの作成、ラベルの印刷と貼付、出荷通知の送信などが含まれます。正確な出荷作業は、顧客に対する納期の遵守と配送ミスの防止につながります。
また出荷状況をリアルタイムで追跡できるシステムを導入することで、顧客に対して正確な情報提供が可能です。
8. 配送
配送は出荷された商品を顧客に届ける最終プロセスです。配送方法には、宅配便、航空便、トラック便などがあり、商品の特性や配送先に応じて最適な方法を選択します。スピーディかつ確実な配送は、顧客満足度を高め、リピート購入を促進する重要な要素です。
物流の流れを効率化する方法
物流の流れを効率化し、より迅速にプロセスを進めることは従業員の負担軽減や顧客満足度の向上などプラスの効果を生み出すでしょう。ここでは物流の流れを効率化する方法の例を紹介します。
自動化技術の導入
物流の流れを効率化するためには、倉庫管理システム(WMS)、自動搬送システム(AGV)、バーコードとRFID技術の導入が不可欠です。これらの技術を活用することで、作業の自動化と正確性の向上が実現されます。
倉庫管理システムについて、こちらの記事で解説しています。
ソフトウェアの活用
ERPシステムやTMS(輸送管理システム)の導入により、物流プロセスの統合管理と最適化が可能となります。また、予測分析ツールを活用することで、需要予測や在庫最適化が実現され、業務効率向上が期待できるでしょう。
外部委託(3PL)の活用
物流業務の一部または全体を外部の専門業者に委託することで、企業はコスト削減と業務の柔軟性を両立させることができます。3PLプロバイダーは、輸送、保管、ピッキング、出荷などを効率的に行います。
教育とトレーニング
物流に関わる従業員のスキル向上と安全教育を通じて、安全で効率的な作業環境を確保します。トレーニングを通じて、最新の技術や作業手法を従業員に定期的に提供することが重要です。
環境の最適化
倉庫や配送センターのレイアウト見直しや環境制御を通じて、作業効率を最大化します。特に、商品の保管条件や品質管理を徹底し、顧客満足度を向上させるための基盤を整えましょう。
デジタルトランスフォーメーション(DX)
IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)を活用したデジタル技術の導入により、物流プロセスのデータ収集、分析、最適化が可能となります。これにより、リアルタイムの意思決定と業務効率の向上が実現可能です。
物流に関するよくある課題と対策
最後に物流業務を行う中で発生しがちな課題とその基本的な対策についてまとめます。
物流業界全体に見られる課題として、こちらの記事も参考になるのであわせてご覧ください。
在庫管理の課題
課題:在庫の過剰や不足によるコスト増加やサービス水準の低下。
対策:定期的な在庫管理と棚卸しを実施し、需要予測や自動再発注システムの導入により、適切な在庫レベルを維持する。
ピッキングエラー
課題:商品の誤ったピッキングによる出荷ミスや顧客不満。
対策:バーコードスキャンやRFID技術の導入、ピッキングエリアの最適化、トレーニングとSOPの徹底により、精度を向上させる。
運送コストの増加
課題:燃料費の上昇や運送ルートの最適化の難しさによるコスト増加。
対策:TMSを活用したルート最適化、輸送手段の多様化、燃費効率の良い車両の導入、3PLサービスの活用などでコストを削減する。
配送の遅延
課題:天候や交通事故などによる予期せぬ配送遅延。
対策:リアルタイムの配送トラッキングシステムの導入、予測分析に基づく配送スケジュールの最適化、代替ルートの設定など、柔軟な対応策を準備する。
人材の確保と教育
課題:物流業界の労働力不足や従業員のスキル不足。
対策:従業員の教育とトレーニングの充実、労働環境の改善、業界への魅力的なキャリアパスの提供、技術を活用した作業の効率化などで、人材確保と定着を図る。
持続可能性と環境への影響
課題:輸送や倉庫管理に伴う環境負荷の増加。
対策:グリーンロジスティクスの導入、エネルギー効率の向上、再生可能エネルギーの利用促進、環境に配慮した包装材料の選定など、持続可能な物流プラクティスの推進。
物流の流れを知り効率化を目指そう
物流の流れを把握し、業務の効率化や課題解決を行うことは、物流に関する企業で働く上で重要な要素です。適切な技術の導入やプロセスの見直し、そして持続可能な取り組みが、企業の成長と顧客満足度の向上につながることでしょう。
物流に関するさらなる知識を深め、本記事をビジネスの競争力を高める一歩としてください。
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