TS-BASE 受発注
2024.06.25
受注書とは?作成の手順や必要な項目、管理方法などを紹介
目次
正確な受注書の作成と管理は、取引の円滑な進行と信頼性の向上に直結します。本記事では、「受注書とは?」という基本的な疑問に答えながら、受注書の作成手順、必要な項目、そして効果的な管理方法について詳しく解説します。
受注書の正確な運用がどのように業務効率を高め、トラブルを防ぐかを理解することで、企業の受発注業務の改善に役立てていただける内容です。ぜひ、最後までご覧ください。
受注書とは?
受注書とは、顧客からの注文を正式に受け付けたことを証明する書類です。販売業務や取引の記録において非常に重要な役割を果たします。受注書には、注文内容、数量、価格、納期、支払条件などの詳細が記載され、顧客と企業の間での取引条件を明確にします。
受注書の役割は主に以下の通りです。
- 取引の正式記録:受注書には、顧客の注文内容が詳細に記載されるため、双方での認識の違いを防ぎます。これにより、誤発送や数量間違いなどのトラブルを未然に防ぐことが可能です。
- 業務の効率化:受注書の発行を通じて、受注から出荷までの一連の業務フローが標準化され、業務効率が向上します。また、受注書の情報を基に在庫管理や出荷準備を円滑に進めることもできるでしょう。
- トレーサビリティの確保:受注書は取引履歴の一部として保管され、将来的な確認やトレーサビリティに役立ちます。問題が発生した場合、受注書を参照することで迅速な対応が可能です。
- 法的保護:受注書は顧客との契約の証拠として機能します。法的な問題が発生した際に、受注書を用いて取引条件や内容を証明することが可能です。
- コミュニケーションの円滑化:受注書を通じて、注文内容や納期について顧客と確認を行うことで、ミスコミュニケーションを防ぐことが可能です。
「発注書」「請求書」との違い
「受注書」「発注書」「請求書」はすべて取引に関する重要な書類ですが、それぞれ異なる目的と役割を持っています。以下にそれぞれの違いをまとめました。
- 受注書:顧客からの注文を受け付けたことを確認するための書類
- 発注書:企業が供給元に商品やサービスの購入を依頼するための書類
- 請求書:商品やサービスの提供後に、その代金を顧客に請求するための書類
受注書に必要な項目(要素)
受注書を作成する際は、どんな項目を記載すれば良いのでしょうか。必要な項目(要素)を紹介します。
基本情報
- 受注書番号:各受注書を一意に識別するための番号
- 発行日:受注書が作成された日付
顧客情報
- 顧客名:注文を行った顧客の名称
- 顧客ID:顧客を識別するためのID(任意)
- 連絡先情報:住所、電話番号、メールアドレスなどの連絡先情報
注文内容
- 商品名/サービス名:注文された商品やサービスの名称
- 商品コード:商品を特定するためのコード(SKUなど)
- 数量:注文された商品の数量
- 単価:各商品の単価
- 合計金額:注文された商品の総合計金額
- 割引:適用される割引の詳細(割引率または割引額)
- 税金:適用される税金の詳細と金額
取引条件
- 納期:商品の納品予定日
- 配送方法:使用する配送手段(例:宅配便、エクスプレス配送など)
- 配送先情報:配送先の住所と連絡先情報
- 支払条件:支払いの方法(例:銀行振込、クレジットカード、現金払い)と支払期限
その他の情報
- 備考欄:特記事項や顧客からの特別な指示
- 担当者名:受注を担当した社員の名前
- 注文承認:受注書の承認を示すための署名または捺印欄
受注書の例
以下は受注書の例です。参考までにご覧ください。
受注書
項目 | 内容 |
受注書番号 | O123456789 |
発行日 | 20XX年⚪︎月×日 |
顧客名 | 株式会社ABC |
顧客ID | C987654321 |
住所 | 愛知県名古屋市昭和区〇〇町1-2-3 |
電話番号 | 052--1234-5678 |
メールアドレス | info@abc.co.jp |
注文内容
商品名 | 商品コード | 数量 | 単価 | 合計金額 |
商品A | A123 | 10 | ¥1,000 | ¥10,000 |
商品B | B456 | 5 | ¥2,000 | ¥10,000 |
小計 | ¥20,000 | |||
割引 | -¥2,000 | |||
税金 (10%) | ¥1,800 | |||
合計 | ¥19,800 |
取引条件
項目 | 内容 |
納期 | 20XX年⚪︎月×日 |
配送方法 | 宅配便 |
配送先住所 | 愛知県名古屋市昭和区〇〇町0-0-0 |
支払条件 | 銀行振込 (支払期限:20XX年⚪︎月△日) |
備考
顧客からの特別な指示があれば記載する。
例)納品時に連絡を希望。
担当者情報
担当者名 :竹田太郎
連絡先:052--1234-5678
承認
承認印欄を設けておく。
受注書の作成手順
実際に受注書を作成する場合、どのような手順で進めればいいのでしょうか。ここでは受注書の作成の一般的な手順を紹介します。
受注書作成前の作業
- 注文受付:電話、メール、FAX、オンラインフォームなどで顧客から注文を受け付けます。
- 注文内容の確認:注文内容を詳細に確認し、不明点があれば顧客に問い合わせて確認します。
- 受注書のテンプレート準備:事前に用意された受注書テンプレートを開きます。
受注書への情報転記
- 基本情報の入力:受注書番号、発行日などの基本情報を入力します。
- 顧客情報の入力:顧客の名前、住所、電話番号、メールアドレスなどの顧客情報を入力します。
- 注文内容の入力:注文された商品の名称、商品コード、数量、単価を入力します。
- 金額計算:各商品の合計金額を計算し、小計、割引、税金などを含めた総合計金額を計算します。
- 取引条件の入力:商品の納品予定日、配送先情報、支払い方法、支払期限などを入力します。
- その他の情報の入力:特別な指示や注意事項、受注を担当した社員の名前と連絡先を入力します。
顧客との確認
- 内容の確認:入力内容を確認し、誤りや不備がないかチェックします。
- 顧客への確認:必要に応じて、受注書の内容を顧客に確認してもらい、承認を得ます。
受注書の管理方法
ここでは受注書の管理方法の例を紹介します。
デジタル化とクラウドストレージの活用
まず、受注書をデジタル化し、クラウドストレージで保存する方法がおすすめです。紙の受注書をスキャンしてデジタルデータに変換することで、検索や管理が容易になります。また、電子受注書の利用により、ペーパーレス化を推進し、効率的な管理が可能です。
さらに、Google Drive、Dropbox、OneDriveなどのクラウドストレージを利用して受注書を保管し、アクセス権限を設定することで、必要なスタッフがいつでもアクセスできるようにしましょう。クラウドストレージの自動バックアップ機能を活用することで、データの損失を防ぐこともできます。
ペーパーレス化については、こちらの記事で解説しています。
受注管理システムの導入
専用の受注管理システムの導入も効果的です。CRMシステムを利用して受注情報を一元管理し、顧客情報や取引履歴と連携させることで、受注管理が効率化され、顧客対応が向上します。
また、ERPシステムを導入し、在庫管理や生産管理と連携させることで、受注から出荷までのプロセスを統合的に管理できます。
受注書の物理的管理
紙ベースでの受注書管理が必要な場合、整理と保管が欠かせません。受注書をファイルキャビネットに整理し、顧客別、年度別に分類して保管します。ラベルを活用して各フォルダやキャビネットに明示し、迅速に必要な受注書を見つけられるようにしましょう。
また、法的要件に基づいて受注書の保管期間を設定し、一定期間後に適切に廃棄することが重要です。定期的に受注書の保管状況を見直し、不要な書類を整理してください。
受注書を電子データ化する利点
先ほどの項目でも少し触れましたが、昨今は受注書を電子データ化してやり取りしたり、管理したりするケースが増えてきています。ペーパーレス化が進む現代において、受注書の電子データ化は検討すべき要素でしょう。
ここでは受注書を電子データ化する利点を紹介します。
効率性の向上
まず、効率性の向上が挙げられます。電子データは検索が容易で、必要な情報にすぐにアクセスできるため、業務のスピードが向上し、顧客対応も迅速に行うことが可能です。また、受注処理や在庫管理、請求書発行などのプロセスを自動化することで、手作業によるミスが減少し、業務の効率が大幅に向上します。
コスト削減
コスト削減も大きなメリットです。紙の使用を減らすことで、印刷費用や保管スペースのコストを削減できるほか、郵送やFAXのコストも不要になります。電子データはクラウドストレージやサーバーに保存できるため、物理的な保管スペースが不要となり、オフィススペースの効率的な利用が可能となるでしょう。
FAX受発注から脱却する方法については、こちらの記事で解説しています。
データの正確性と一貫性
データの正確性と一貫性も向上します。手書きや手入力によるミスを防ぎ、データの正確性が向上するだけでなく、データがリアルタイムで更新されるため、最新の情報を常に把握可能です。これにより、在庫管理や生産計画の精度が向上します。
セキュリティの強化
セキュリティの強化も電子データ化の重要な利点です。アクセス権限を設定することで、必要な人だけが情報にアクセスできるように制限でき、機密情報の保護が強化されます。また、定期的にバックアップを行うことで、データの損失を防ぎ、災害やシステム障害時にも迅速にデータをリカバリすることが可能です。
環境への配慮
環境への配慮も忘れてはなりません。紙の使用量を減らすことで、環境への負担を軽減し、持続可能なビジネス運営に貢献できます。印刷用紙やインク、物理的な保管スペースなどのリソースを節約することも可能です。
トレーサビリティの向上
トレーサビリティの向上も重要なメリットです。電子データ化により、受注書の作成から最終処理までの履歴を簡単に追跡でき、問題発生時の原因究明や対応が迅速に行えます。電子データは検索や抽出が容易なため、内部監査や外部監査に迅速に対応できるため、監査プロセスもスムーズになるでしょう。
データ分析の容易化
最後に、データ分析の容易化も挙げられます。受注書のデータを他のシステムと統合することで、売上分析や需要予測、在庫管理などのデータ分析が容易になります。データがリアルタイムで更新されるため、最新の情報に基づいたレポート作成が可能となり、迅速な意思決定ができるでしょう。
受発注業務の脱紙文化については、こちらの記事でも紹介しています。
受注書を効率的に作成・管理しよう
受注書は顧客からの注文を正式に受け付けたことを証明する書類で、取引の正式記録やコミュニケーションの円滑化などに役立ちます。本記事を参考に効率的な受注書の作成・管理を行ってください。
-
TS-BASE編集部さん
TS-BASEシリーズの促進を目指し活動しています。
導入をご検討の方は
こちらから
-
サービスの紹介資料や
お役立ち資料は
こちらから -
導入のご検討やその他ご相談は
こちらから