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2024.04.24

発注点とは?発注量との違いや決め方、管理方法を紹介

発注点とは?発注量との違いや決め方、管理方法を紹介

目次

新しい商品を仕入れるときや在庫を補充する際に重要な役割を果たす「発注点」。その概要や発注量との違い、発注点を決める方法、そして効果的な管理方法について紹介します。

発注点とは

発注点とは、在庫管理において発注を行うタイミングや数量を決定するための基準点を意味する言葉です。通常、在庫が一定の水準(発注点)以下になった時点で発注を行うことで、適切な在庫量を維持でき、在庫切れや過剰在庫を防ぐことが可能となります。発注点は需要予測やリードタイムなどを考慮して設定され、効率的な在庫管理を行うために導き出すことが必要です。

発注量との違い

発注点と似ている言葉に「発注量」があります。それぞれどのような意味の言葉か、整理しましょう。

発注量は、一度の発注で購入する数量を意味する言葉です。改めてまとめると、発注点と発注量には以下の違いがあります。

発注点
在庫が一定の水準以下になったときに発注を行うための基準点です。在庫がある一定の数量(例: 20個)以下になった時に発注を開始するというような基準になります。発注点は需要予測やリードタイム、在庫の安全率などを考慮して設定され、在庫が発注点以下になった場合、商品や製品を補充します。

発注量
一度にどれだけの数量を発注するかを示す指標です。例えば、一度の発注で100個を発注する場合、その100個が発注量となります。発注量は需要の予測や在庫保有コスト、発注コストなどを考慮して決定され、過剰な発注を避けつつ、顧客の需要を満たす量を確保するために設定されます。

発注点の決め方

発注点はどのように求めればいいのでしょうか。それぞれを求める場合の考え方と計算式を紹介します。

発注点を決める場合、まず「安全在庫水準」を計算して求めます。
安全在庫水準とは、商品の需要が予想以上に増加したり、納期に遅延が生じたりした場合に備えて、最低限必要な在庫数のことです。

安全在庫水準は、以下の計算式で求めることができます。

安全在庫水準 =(平均需要量×調達期間)+安全係数

平均需要量は、過去の一定期間(通常は1ヶ月)の需要合計を期間で割ったものです。

調達期間は注文から商品が到着するまでの時間を指します。

安全係数は在庫の変動やリードタイムの不確実性を考慮した補正係数です。一般的には1.5〜2.0程度が使われます。

安全在庫水準を計算したら、次に発注量を導き出します。発注量は以下の計算式で求めることが可能です。

発注量=1日の平均出荷量×納期までの日分+安全在庫

安全在庫水準と発注量を足した結果が、発注点です。つまり発注点は以下の計算式で求められます。

発注点=安全在庫水準+発注量

ただし、業界や企業の特性によっては異なる計算方法やパラメータを使用することもありますので、実際の業務においては適切な方法を採用することが重要です。

発注方式の種類

発注点を設定後、実際に発注します。その方法は以下の2種類に分けられます。それぞれの特徴をまとめました。

定量発注方式
特定の数量が在庫水準に達したら発注を行う方式です。例えば、在庫が発注点以下になったら、常に一定の量(発注量)を発注します。特に需要が安定している商品や部品に適しており、在庫を一定水準に保ちつつ、発注コストを最小限に抑えることが可能です。

定期発注方式
一定のタイミングごとに在庫の状況を見直し、必要な数量を発注する方式です。例えば、毎週月曜日に在庫の点検と発注を行うといった定期的なスケジュールを決めて実行します。需要の変動が大きい商品や、発注コストを均等に分散させたい場合に適した発注方法です。

発注点を効率的に管理する方法

適切なタイミングで必要な数量の発注ができるよう、発注点を管理することも重要です。ここでは、発注点を効率的に管理する方法をまとめました。

  • 需要予測と在庫数の定期的な確認過去の売上データや需要の傾向を分析して需要を予測し、在庫数と照らし合わせて発注点を設定します。そのためには、定期的な在庫数のチェックが必要です。現在庫の管理にお困りなら、こちらのExcelで使える在庫管理ツールが役に立つでしょう。ぜひご検討ください。

    転記・計算ミスを防ぐ!今から使える在庫管理ツール

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竹田印刷株式会社が提供する、在庫管理業務に利用できる「在庫管理表テンプレート」です。「在庫数が合わない」「棚卸に時間がかかる」という場合に役立ちます。

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  • リードタイムの考慮:仕入れや生産にかかるリードタイムを正確に把握し、発注点の計算に反映させます。
  • 安全在庫の設定:需要の変動やリードタイムの変動に対応できるよう、安全在庫を適切に管理します。
  • 発注点計算システムの導入:システムを活用して発注点を自動的に計算し、適切なタイミングで発注を行う仕組みを導入することも効果的です。自動化されたシステムにより人為的なミスを減らし、効率的な発注点管理を実現します。
  • データ分析と改善:定期的に発注点管理のデータを分析し、適切な改善策を検討します。

発注点を下回った場合の検知も重要

発注点を決めたら、下回った場合にすぐ分かるような仕組みを作っておくことも重要です。発注点を下回ったことを検知できないと、発注のタイミングが遅れてしまう可能性があります。

例えば受発注システムなどを導入し、発注点を下回った場合にアラートが出る機能を使うと検知しやすくなるでしょう。竹田印刷が提供する受発注システム「TS-BASE 受発注」には、管理画面上に通知が表示される機能と、メールで通知が届く機能があります。

発注点は発注のタイミングと数量を決める基準

発注点を適切に管理することは、発注のタイミングや数量を決め、在庫を過不足なく保有するために欠かせません。発注点とは何か知らなかったという方は、本記事の内容を参考にしてください。

また当サイトでは発注業務に関する専門用語の解説記事を多数公開しています。これから発注業務に関わる方のお役に立つこと間違いなしですので、あわせてご覧ください。


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