TS-BASE 物流
2023.11.22
BtoB物流とは?特徴や課題とその解決策、BtoC物流との違いなどを紹介
目次
本記事ではBtoB物流とは何か、分かりやすく解説します。混同しやすいBtoC物流との違いもまとめましたので、ぜひ参考にしてください。
またBtoB物流を行う際によく発生しがちな課題とその解決策についてもまとめています。現在、自社のBtoB物流に課題を感じている企業のご担当者様も、ぜひお読みいただければと思います。
BtoB物流とは
BtoB物流(Business to Business物流)とは、企業間での商品や物資の移送を意味する言葉です。製造業者(メーカー)、卸売業者、小売業者などが相互に取引し、商品を供給・配送します。
例えば、メーカーから商社、そして小売業者まで商品が移送されるのがBtoB物流です。
BtoB物流とBtoC物流の違い
BtoB物流とBtoC物流は、よく混同されがちです。ここで、どのような違いがあるか説明します。
BtoB物流は基本的に企業同士の大口取引のことを意味し、BtoC物流は「Business to Consumer物流」の略称で、企業と個々の消費者との小口取引を意味します。BtoBは企業間で長期的に提携する一方、BtoCは企業と個々の顧客が直接・短期的に取引(サービスの利用や商品の購入)します。
以下に、BtoB物流とBtoC物流の特徴を整理しました。
BtoB物流
- 企業同士の取引が主体
- 製造業者、卸売業者、小売業者同士が関与
- 大量の商品が一度に取引されることが一般的
- 長期的で密接な契約が通常
- 多様な条件の下、企業間で契約が結ばれる
- 特定の業界や企業の要件に合わせた柔軟な対応が求められる
- 顧客との直接の関係よりも、取引先とのパートナーシップが重視される
BtoC物流
- 企業から個々の消費者への販売が主体
- オンライン販売や小売店での販売などが該当
- 商品は個別に顧客に送られる
- 一般的には短期の取引が多い
- 顧客の個別の要望に迅速に対応することが求められる
- 顧客との直接の関係が非常に重要
- 顧客満足度や迅速な配送が注力ポイント
BtoB物流の特徴
BtoB物流の主な特徴を見ていきます。
取引が大量・大口であることが多い
通常、BtoB物流では取引規模が大きくなる傾向があります。企業同士の取引・契約は大口で行われ、輸送される商品や物資の数量は多めです。BtoB取引には、大量の商品を運ぶ効率的な輸送手段と広範な物流ネットワークが必要になります。
契約による企業間の密接な結びつきが求められる
BtoB物流では、関連企業と書面などによる契約を取り交わし、取引を綿密に管理することが求められます。具体的には、製造業者と物流業者、物流業社と卸売(販売)業者それぞれの間で契約が結ばれることで、スムーズなBtoB物流が構築されます。
企業ごとの特定のニーズに対する適応力が求めらる
BtoB物流には、多くの企業が関連する場合があります。そのため、取引相手ごとに異なる要件やニーズが生じる可能性が高く、それらに適応できる柔軟性が求められます。異なる業界や製品に特有の要件を理解し、それに応じた効率的な物流プロセスを提供することが理想的なBtoB物流の構築につながるでしょう。
高度な技術と情報の利用が必要
BtoB物流においては、高度な情報技術やデータ管理が求められます。例えば、リアルタイムな在庫情報、追跡機能、効率的な生産計画の作成などです。これらの技術・管理体制を構築することが、企業間のスムーズな物流を支えます。
長期的な提携や戦略的な協力が利益につながる
BtoB物流はBtoC物流以上に、企業間で強い関係性を築くことが求められます。長期的な提携や戦略的な協力をすることが、BtoB物流でつながる企業全てのビジネスにとって、長いスパンで大きな利益をもたらすでしょう。
BtoB物流における課題とその解決策
ここからは、BtoB物流においてよくある課題とその解決策を紹介します。
複雑なサプライチェーン管理
BtoB物流では、複数のベンダーやサプライヤーとの取引が発生するため、サプライチェーン(製品の原材料や部品の調達から、販売に至るまでの流れ)が複雑化しやすい傾向があります。この複雑なサプライチェーンを管理し、効率的な物流プロセスを確保することが重要です。
具体的な解決策として、 デジタル化されたサプライチェーン管理システムを導入することや、関連企業とリアルタイムで情報を共有することで課題の確認や商品移送方法の見直し、生産・配送の計画改善などを行う方法が挙げられます。
在庫の適切な管理
商品の製造段階では、消費者にどの程度のニーズがあるか判断するのが難しく、どれくらい在庫を用意すればいいのか予想することも困難な傾向があります。そのため、実際に商品の移送を開始すると、在庫の不足または過剰に陥ることも少なくありません。こういった状況は関連企業に混乱を引き起こします。
解決方法としては、例えばAIや機械学習を活用して商品の需要を予測したり、在庫管理システムの導入によりリアルタイムに在庫状況を管理することで、最適化を図ったりすることがあります。
物流ネットワークの最適化
BtoB物流では、 複数の物流拠点や倉庫を管理する必要が生まれる場合があります。拠点や倉庫の数が増えると、その分、効率的な輸送手段を選択するのが難しくなりがち。結果、非効率的なBtoB物流を行い、必要以上のコストをかけてしまうことも。
対策として、各拠点の配送状況や倉庫の稼働状況などのデータを収集・分析し、単純な予想ではなくデータに基づく客観的な判断で、最適な物流ネットワークを構築することなどが求められます。
セキュリティとリスク管理
複数の企業が関連するBtoB物流では、ネットワーク全体でのセキュリティ管理が複雑化する傾向があります。自社では万全なセキュリティ対策をとっていても、取引先企業の対策が不十分であることから、悪意のある第三者に攻撃されたり、情報漏洩などの事故が発生したりすることも。潜在的なセキュリティリスクが高いことも、BtoB物流の課題です。
事前にセキュリティ対策を行うことや、ISMS認証などを取得し、一定水準以上のセキュリティ対策を行なっている企業とのみ取引することなどが求められるでしょう。
BtoB物流の今後
将来的にBtoBでの取引はなくならないと予想できますが、DtoC(メーカーなどが直接顧客に商品を届ける取引)などもさらに活発化し、物流の形態に明確な垣根がなくなっていく可能性が考えられます。
企業は取引先や顧客のニーズに合わせ、多種多様なビジネスモデルを展開していくことが求められるでしょう。そんな状況でもスムーズな物流ができるよう、テクノロジーの活用やアウトソーシングによる業務の効率化、リアルタイムで適切な在庫管理体制の構築なども必要になると思われます。
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