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2023.06.08

物流コストとは?主なコストの内訳や上昇原因、削減方法

物流コストとは?主なコストの内訳や上昇原因、削減方法

商品の製造から顧客への届けるまでの流れを円滑にするためには、効率的な物流活動が必要です。しかし、物流にはさまざまなコスト、すなわち物流コストがかかります。

そこで本記事では、物流コストとは具体的に何を指すのか、一般的なコストの内訳などとあわせて紹介します。さらに、物流コストが上昇する原因や、 物流コスト削減のための実践的な方法についてもまとめました。

目次

物流コストとは

物流コストは、商品や原材料の供給から生産、販売、顧客への配送までの物流活動にかかる費用のことを指します。

輸送だけでなく、在庫の保管や商品の包装などにかかるコストも物流コストの一部です。

物流コストは、その規模によって以下3つの種類に分類されます。

  • ミクロ物流コスト:物流業界における企業ごとの売上高物流コスト比率の平均値
  • マクロ物流コスト:国全体の物流コスト
  • 企業物流コスト:企業にかかる物流コスト

物流コスト比率とは

物流コストとあわせて、物流コスト比率についても知っておきましょう。

物流コスト比率とは、企業の総売上高に対する物流コストの割合を表す指標です。物流活動の効率性や経済性を評価する上で重要な要素となり、物流コスト比率が低いほど、物流活動が効率的かつ経済的であるといえます。

物流コスト比率は以下のように割合を計算します。

物流コスト比率 = (輸送コスト + 在庫コスト + 処理コスト + 情報管理コスト + その他の物流関連コスト) / 総売上高

この比率を算出することで、企業の物流活動が収益性に与える影響や改善の余地を把握することが可能です。物流コスト比率が高い場合、物流コストの削減や効率化の取り組みが必要な可能性があります。逆に、物流コスト比率が低い場合、物流活動の効率性が高いことを示し、競争力の向上や収益性の向上に貢献することが期待されます。

ただし、物流コスト比率の評価は業界や企業の特性や戦略によって異なるため、単一の基準で判断するのではなく、比較対象や過去のデータとの比較、業界の平均値との比較などを行うことが重要です。

物流コストの主な内訳

物流コストの主な内訳は以下の通りです。ただし、実際の内訳は企業や業界によって異なり、各要素の割合も企業ごとにさまざまなため、これらは一つの例とお考えください。


輸送コスト
商品や原材料を供給元から目的地まで運ぶためのコスト。運送手段の選択によって燃料費、運賃、輸送料などが発生

在庫コスト
商品や原材料の保管に関連するコスト。倉庫や店舗の賃料、保管にかかる人件費、保険料、商品の損耗や劣化によるコストなどが含まれる

処理コスト
商品の仕分け、包装、ラベル付け、梱包などの処理に関連するコスト。人件費や包装資材のコストなどが含まれる

情報管理コスト
物流データの管理やトレーサビリティの確保に関わるコスト。在庫管理システムやトラッキングシステムの導入・運用にかかるコストなどが含まれる

在庫保有コスト
商品や原材料の在庫を保有することによって生じるコスト。在庫の資金調達費用、在庫の劣化や滞留による損失、在庫リスクに関連するコストが含まれる

オーダープロセシングコスト
受注処理、発注処理、請求処理など、注文に関連する手続きや管理にかかるコスト

リバースロジスティクスコスト
返品や不良品処理、リサイクル・廃棄物処理に関連するコスト

物流コストが上昇する主な原因

自社の物流コストを計算して高い数値が出た場合、以下の原因が当てはまるかもしれません。

ここでは物流コストが上昇する主な原因をまとめました。

ただし、これらは一般的な物流コスト上昇の原因の一部であり、企業や業界によっては他の要因も影響を及ぼす可能性があります。


燃料価格の上昇
石油価格の変動は輸送コストに大きな影響を与えます。燃料価格が上昇すると、輸送にかかる燃料費が増加し、物流コストが上がります。

交通渋滞や輸送インフラの制約
交通渋滞や輸送インフラの制約がある地域では、輸送時間が長くなり、効率が低下する傾向があります。それに伴い、運送費や在庫コストが増加し、物流コストが上昇します。

在庫レベルの増加
需要の変動や生産の不確実性により企業が在庫を増やす場合、在庫コストが上昇します。保管スペース、保管費用、リスク管理など、在庫を維持するための追加的なコストが発生することもあります。

労働力の不足
特に物流業界や倉庫業界では労働力の不足が問題となっており、需要の変化や労働市場の競争激化により、労働者の確保や賃金の上昇による人件費の増加が物流コストを押し上げる要因になる場合があります。

規制やコンプライアンスの強化
物流業界はさまざまな規制やコンプライアンス要件に対応する必要があります。例えば、環境への配慮や安全対策に伴う規制強化により、物流業者は追加の投資やコストを負担する必要が生まれることもあるでしょう。

サプライチェーンの複雑性
国際的なサプライチェーンでは、複数の国や地域との取引や輸送が行われます。輸送距離の増加や税関手続き、関税、国際物流の複雑さにより、物流コストが上昇することがあります

物流コストを削減する主な方法

自社の物流コストが高い、あるいは上昇してる場合、コストを削減する対策を行うべきでしょう。

ここでは物流コストを削減する主な方法を紹介します。


ルート最適化と輸送計画の最適化
効率的な輸送ルートプランニングと輸送計画の最適化により、輸送距離や時間を最小限に抑えることができます。ルート最適化ソフトウェアや輸送管理システムを活用することで、最適な輸送経路や積載計画を策定できるでしょう。

在庫管理の最適化
需要予測や在庫レベルの最適化により、在庫を最小限に抑えながら需要に適切に対応することができます。正確な需要予測や効果的な在庫管理手法(例:ジャストインタイム、クロスドッキング)を導入することで、在庫コストを削減できます。

輸送方法の最適化
航空輸送から海上輸送や陸上輸送への切り替えなど、輸送方法の最適化を検討することで、輸送コストを削減できます。コストと時間のトレードオフを考慮し、最適な輸送モードを選択します。

プラットフォーム活用とコラボレーション
物流プラットフォームや共同配送モデルを活用することで、輸送の効率化とコスト削減が可能です。輸送需要の集約やルートの共有、輸送効率の向上により、コスト削減効果を得ることができます。

データ分析と効率改善
物流データの収集と分析を行い、ボトルネックや無駄を特定し、効率改善策を見つけます。物流プロセスの改善や自動化、効果的なリソース配分などを実施することで、コスト削減を実現できます。

物流コストの見直しと削減を実施しよう

物流コストは、現代のビジネスにおいて重要な要素であり、効果的な管理と削減は企業の競争力向上につながります。物流業界は常に進化し続けており、新たな技術や手法が登場しています。そのため、物流コストの管理においても常に最新の情報にアクセスし、改善の余地を探ることが重要です。

弊社が提供する「TS-BASE 物流」では、7つの物流サービス(在庫保管・荷役・流通加工・梱包・輸配送・コールセンター・システム提供)をカスタマイズして提供し、業務効率化に貢献します。

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