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2023.09.29
ECサイトの平均CVR(コンバージョン率)は?低い理由と改善方法
目次
自社のECサイトの効果を測定する重要な指標の1つが、CVR(コンバージョン率)です。CVRの値や推移を分析し、サイトデザインや取り扱う商品、操作手順などを改善します。
一方で「自社ECサイトのCVRが高いのか低いのかがわからない」「CVRがずっと低水準をキープしている」といった悩みを持つサイト運営者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、ECサイトのCVRの平均や、CVRを高めるために有効な施策について解説します。
ECサイトのCVR(コンバージョン率)とは
CVR とは英語の conversion rate の略で、日本語では「コンバージョン率」と読みます。
コンバージョンとは、Web サイトの訪問者が、そのサイトが目標としている行動を起こしてくれた状態や、その目標そのものを指します。日本語では「転換」や「変換」という意味です。
例えば以下のように、多くの Web サイトはそれぞれ何か明確な目的や目標を持って作成されるものです。
Web サイトの種類 | コンバージョンの例 |
企業のホームページ | 問い合わせ、資料ダウンロード、申込み |
EC サイト(ショッピングサイト) | 商品やサービスの購入、会員登録 |
ブログ | メールマガジンの登録、広告のクリック |
コンバージョン率は、サイト訪問者の中で実際にその目標行動を起こしてくれた人の割合を示し、以下の計算式で算出します。
(サイトで発生したコンバージョン数)÷(サイトの訪問総数)× 100
どれだけ訪問数が多くても、そもそも Web サイトを作成した目的が達成されなければ、Web 施策は成功とは言えません。CVR は、Web サイトの効果を測るための重要な指標であり、サイト担当者はCVRを元に改善策を検討する必要があるのです。
ECサイトのCVRの目安
EC サイトの CVR は、3%程度が目安と言われています。つまり、100人が EC サイトを訪れたとして、そのうちの3人程度が購入や登録などのサイト運営側の目標行動を起こしているということです。
この数字は EC 全体の数値であり、業界別に見ると結果は少し異なります。2022年第4四半期時点で平均コンバージョン率が上位6つの業界は、次のとおりです。
- 食品/飲料:4.6%
- 医療/美容:3.3%
- ファッション/アパレル:2.7%
- エンターテインメント:2.5%
- 日用品:2.1%
- 電子機器:1.9%
参考:Adobe Experience Cloud Blog「コマースのヒント:平均コンバージョン率」
目安となる CVR は、業界やビジネスモデル、ターゲット層、価格設定などによって左右します。また、CVR は EC サイトのパフォーマンスを測るための数ある基準の1つです。コンバージョン率だけで全てを判断するのではなく、売上目標などの達成度などもふまえて、サイトの評価を行いましょう。
ECサイトのCVRが低い原因と対応策
自社の EC サイトの CVR が業界の平均よりも大きく下回っている、あるいは推移で見たときに低下している場合、どのような原因が考えられるのでしょうか。ここからは、EC サイトの CVR が低下する原因と、その対応策について解説します。
サイトの主な訪問者とターゲット層にズレがある
EC サイトを閲覧する人の大部分が、そのサイトのターゲット層と異なっている場合、どれだけ多くのサイト訪問者数を獲得してもコンバージョンにはつながりません。
これは実店舗でも言えることで、来店した全ての人に目標行動を起こしてもらうためには、店の立地やインテリア、雰囲気などをターゲットとなる顧客層を意識して決定する必要があります。
EC サイトの場合、ターゲット層の性別、年齢、行動・思考パターンなどを再定義した上で、サイトの宣伝方法やデザイン、コンセプト、取り扱い商品などを見直すことが重要です。
ECサイトの使い勝手が悪い
使い勝手の悪い EC サイトは、ユーザーの購買意欲を低下させ、サイトからの離脱につながります。自社ECサイトでユーザーが次のような不満を感じていないかを客観的に検証してみましょう。
- 文字や画像が小さくて見づらい
- 商品検索がしにくい
- 買い物かご(カート)画面や決済画面に進むボタンの場所がわからない
- 画面の読み込み速度が遅い
- スマートフォンや特定のブラウザで画面が正しく表示されない
一般的にユーザーフレンドリーと言われる Web サイトには、いくつか特徴があります。人気のショッピングサイトや競合サイトなどを見てみて、使い勝手の点でどのような工夫やデザインがされているかを確認してみるのもおすすめです。
商品の魅力が伝わっていない
実際に商品を手にとって見られないECサイトでは、商品の写真や説明、レビューなどが購入を決定する重要な要素になります。
ターゲット層がECサイトを多く訪問しているにもかかわらず、CVR が目標値に達していない場合には、商品の魅力が消費者に正しく伝わっているかを確認しましょう。
例えば家具やインテリアの場合、部屋に置いたときのイメージ写真やサイズ感がわかる写真があるだけで、消費者はその商品をより鮮明にイメージできます。洋服であれば、身長や体型が異なるモデルが同じ商品を着用した際の写真があると、試着をしなくても自分にとって適切なサイズを選ぶことができるでしょう。
購入手続きが複雑・面倒
実店舗で商品を購入するためにレジに向かうと、レジの前に長い列ができていて、購入を諦めた経験はありませんか?EC サイトではレジ前の行列はありませんが、購入手続きが煩雑で時間がかかる場合、ユーザーは途中で断念しやすくなります。
例えば、以下のような決済の流れ・仕組みは、コンバージョン低下の原因になります。
- 購入前に会員登録やメルマガ登録を要求される
- 住所などの配達に必要な情報の他に、生年月日や性別などの個人情報の入力を要求される
- 購入するまでに何度もページ遷移する
その他には、決済方法の選択肢が少なく、ポイント払いやキャッシュレス決済に対応してないことも、サイトの離脱や購入断念につながる原因の1つです。購入手続きはシンプル・スムーズにするとともに、幅広い決済方法を用意しましょう。
ECサイトや企業の信頼性が低い
多くの EC サイトが真面目にビジネスをやっている一方で、詐欺サイトや評判が悪いサイト、セキュリティ不安などがあるサイトも一部存在します。
商品が手元に届く前に決済するのが一般的な EC サイトでは、ユーザーは特にサイトや運営企業の信頼性を重視します。「お金を払って大丈夫かな」と少しでも疑念を持ってしまうと、そこで購入を躊躇したり、中断したりすることはごく一般的なのです。
自社 EC サイトを初めて利用する人にも安心して購入してもらえるよう、以下のようなことを実施しましょう。
- 運営する企業の情報や連絡先(問い合わせ先)の明記
- 返品・交換ポリシーの明記
- 安全なオンライン決済システムの導入やプライバシーポリシーの明確化
CVR向上のポイント
CVR を向上させるためには、コンバージョンに影響を与える各種データの定期的な収集と分析が有効です。これから紹介する施策を実施し、サイトの改善に取り組みましょう。
Google Analyticsによる効果測定
Google Analytics は、EC サイトのトラフィック(アクセス数やセッション数など、サイトへの流入を計測する指標)とユーザーの行動を分析するために優れたツールです。CVR 向上のためには、以下のような活用ができます。
- コンバージョンの設定とレポート分析:ECサイトの目標行動(購入、登録、問い合わせなど)を登録し、その達成率や行動が発生したページ、流入口ごとの CVR を分析する
- ユーザーの行動分析: ユーザーがサイト内でどのような行動をしているかを追跡する
- 離脱ポイントの特定:ユーザーがサイトを離脱するページ(商品ページ、買い物かごページ、決済ページなど)を特定する
これらのデータを分析し、サイトの問題点やコンバージョンを阻害する要因を見つけ出しましょう。
A/Bテストの実施
A/B テストとは、ある要素が異なる複数のパターン(A パターン、B パターンなど)を用意し、それぞれの効果や成果を比較することで、どちらが優れているかを特定するテストです。Webマーケティングでよく実施されており、デザインやテキストなどの異なる複数のウェブページを比較し、よりコンバージョンに効果のあるものを特定します。
A/B テストの実施では、まずCVRに影響を与えると考えられる要素(=変数)を設定します。よく設定される変数には、以下のようなものがあります。
- SNS などで広告をクリックしたときに表示されるランディングページ
- 商品ページのデザイン、レイアウト、説明文、画像など
- 決済フォームや登録フォームの入力項目の内容や数
各パターンでデータを収集し、CVR やユーザーの行動、離脱率などを比較しましょう。
ユーザーの声の収集と分析
Web サイトを実際に訪れるユーザーの声を収集し、分析することも CVR 向上に不可欠です。サイト運営者の目線では気づかない問題点や改善点を見つけられるかもしれません。
ユーザーの声は、以下のような方法で収集できます。
- アンケートやフィードバックフォーム
- カスタマーサポートに寄せられる問い合わせ
- SNSなどの口コミやコメント
収集した声は、内容ごとに分類し、集計します。要望、称賛、批判など様々な意見が集まりますが、一部の声の大きなユーザー(消費者)の意見に惑わされないように、冷静に分析することが重要です。
ECサイトの平均CVRはあくまで目安
CVR(コンバージョン率)は、Webサイトのパフォーマンスを測る重要な指標の1つです。しかし、CVR の良し悪しは各サイトの目的や商品・サービスのジャンル、価格帯などによって異なります。必ずしも「平均 CVR より高いからよい」とは言えないため、あくまで目安として考えつつ、様々な施策でECサイトの改善と目標達成に取り組みましょう。
オンライン上の店舗にあたる EC サイトは、消費者に商品やブランドをアピールする重要な役割を担っています。しかし、円滑な EC 事業には、サイト管理などのフロント業務と同様に、在庫管理や物流などのバックエンド業務の効率化も欠かせません。
- EC 事業を行っているが、ノウハウ不足が障壁になっている
- 社内のリソースだけでEC事業を回すのが困難
- バックエンド業務のフローを効率化・最適化したい
このようなお悩みやご要望をお持ちの方は、ぜひ「TS-BASE 通販」を販売する竹田印刷にご相談ください。
参考記事:TS-BASE 通販とは
「TS-BASE 通販」は、ECの立ち上げから運用までをトータルサポートする通販ソリューションです。ECサイトの立ち上げから各種システムや物流体制の構築、さらには事務局業務の代行まで、必要なサービスをカスタマイズしてご利用いただけます。自社開発・運営のノウハウを活かし、EC事業の課題解消やゴール達成を伴走型でサポートいたします。
実際に「TS-BASE 通販」を利用されたお客様からは、「ECサイトを通じた発信力が強まった」「流動的なニーズや施策にも柔軟に対応できる」といったお声をいただいております。
参考事例:EC サイト運営は「時代に沿った購買行動」に応えるために必要な選択肢
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