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2023.07.27
EC事業とは?概要・種類・市場規模・メリットデメリットなど解説
目次
インターネットを介して物やサービスの取引を行うEC(Electronic Commerce)。場所や時間などの制約を受けずにショッピングができる便利さから、年々市場規模が拡大しています。
ECは消費者にとってはもちろん、事業者にとっても多くのメリットがありますが「ECをすれば必ず利益が出る」というわけではありません。このため、事業者としてECを始める際には、EC事業の基礎知識や注意点をしっかりと把握しておくことが重要です。
この記事では、EC事業の概要や具体的な種類、販売方法、メリット・デメリットについて解説します。
EC事業とは
EC事業のECとは、英語の「Electronic Commerce」の頭文字を取った言葉で、日本語では「電子商取引」を意味します。つまり、EC事業とは、インターネットを通じて物やサービスを販売・提供する事業のことです。
ECは売り手と買い手の立場から、さらに次の4つに分類されます。
名称 | 詳細 |
BtoB-EC | 企業と企業の間で行われるEC。主に原材料や部品、備品など、事業に必要なものが扱われる。 (例:アスクル、モノタロウ) |
BtoC-EC | 企業と消費者の間で行われるEC。食品、衣類、電化製品、雑貨など、生活に必要なものが扱われる。 (例:Amazon、Yahooショッピング、楽天市場) |
CtoC-EC | 消費者と消費者の間で行われるEC。不要になったものの他、ハンドメイド作品なども扱われる。 (例:メルカリ、ヤフオク) |
DtoC-EC | メーカーやブランドと消費者の間で直接行われるEC。ショッピングサイトや卸売業者などの仲介が入らないことがBtoC-ECとの違い。 |
なお「EC」という言葉のみの場合、一般的には企業と消費者間の取引(BtoC-ECまたはDtoC-EC)を指します。
EC事業の市場規模
この記事を読んでいる方の中には、消費者としてECを利用した経験がある方も多いでしょう。私達にとって非常に身近な存在となったECですが、実際にその市場規模はどのような推移を辿っているのでしょうか。
この記事では、経済産業省の「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」を元にBtoC-ECとBtoB-ECの市場規模について紹介します。
参考:経済産業省「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」
BtoC-ECの市場規模
経済産業省の「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2021年の日本国内のBtoC-ECの市場規模は、2020年の約19.3兆円から7.35%増の約20.7兆円に拡大しました。
この調査では、BtoC-ECをさらに「物販系」「サービス系」「デジタル系」の3つの分野に分けています。各分野の推移は以下の通りです。
分野 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | 2021年の伸び率 |
物販系 | 10兆515億円 | 12兆2,333億円 | 13兆2,865億円 | 8.61% |
サービス系 | 7兆1,672億円 | 4兆5,832億円 | 4兆6,424億円 | 1.29% |
デジタル系 | 2兆1,422億円 | 2兆4,614億円 | 2兆7,661億円 | 12.38% |
総計 | 19兆3,609億円 | 19兆2,779億円 | 20兆6,950億円 | 7.35% |
2020年は新型コロナウイルスの影響で物販系ECが大幅に拡大した一方、主に旅行サービスが大きく縮小したことでサービス系ECの規模が減少。結果として2020年の全体の市場規模は2019年よりも縮小しました。
2021年は消費者の間で旅行需要や外出需要が回復傾向にあったにもかかわらず、物販系ECが引き続き増加したため、ECの利用が世間一般により浸透したものと考えられます。
BtoB-ECの市場規模
経済産業省の「令和3年度 電子商取引に関する市場調査」によると、2021年のBtoB-ECの市場規模は、2020年の11.3%増となる約372.7兆円でした。2019年からの3年間の推移は以下の通りです。
2019年 | 2020年 | 2021年 | |
EC市場規模 | 352兆9,620億円 | 334兆9,106億円 | 372兆7,073億円 |
EC化率 | 31.7% | 33.5% | 35.6% |
※EC化率:すべての商取引において、EC(電子商取引)の市場規模が占める割合
BtoC-ECと同様に、2020年は新型コロナウイルスの影響によりBtoB-ECの市場規模も減少しました。一方で、EC化率は2019年から引き続き増加しており、企業間のECは今後も増加していくと見られています。
EC事業の手法
EC販売を行う方法は主に2通りあり、それぞれメリット・デメリットがあります。EC事業の目的や販売目標、予算、人的資源などを元に、どちらか1つあるいは両方の販売経路を選択しましょう。
自社ECサイトを通じて販売
自社でECサイトを構築して、そのサイト上で商品を販売する方法です。ECサイトは、自分たちでゼロから開発する方法の他に、ECの基本機能が搭載されたパッケージシステムやオープンソースを利用し、一部をカスタマイズして構築する方法もあります。
ECサイトの構築方法によってかかるコストは異なりますが、要件定義やデザイン、プログラミング、テスト、さらに稼働後の定期的なメンテナンスなどにコストが発生します。また、事業開始時にはまずECサイトそのものの認知度を高めるためのプロモーションや、検索結果で上位表示されるためのSEO対策が必要です。
一方で、企業やブランドのイメージにあわせてサイトをデザインできる点や、もう一つのオンラインショッピングモールに出店する方法で発生する出店料や販売手数料などはありません。
ECサイトの構築にかかる費用についてはこちらの記事で詳しく解説しています。ぜひあわせて参考にしてください。
関連記事:ECサイト構築にかかる費用は?相場・内訳・検討ポイントなど解説
オンラインショッピングモールに出店して販売
オンラインショッピングモールとは、Amazonや楽天市場、ZOZOTOWNのように1つのショッピングサイトに複数の店が出店し、商品を販売するサイトです。
ショッピングサイトにはカート機能や決済機能などのECに必要な機能がすでに備わっているため、個別のページの設定を行うだけで販売開始できる手軽さは大きなメリットです。ショッピングサイト自体に知名度と集客力があるため、個々の事業者による独自の宣伝やSEO対策が不要な点も、EC事業参入者にはありがたいポイントと言えます。
一方で、ショッピングモールへの出店には出店手数料や売上手数料が発生するため、その費用分を見込んで売上を上げないと、利益が出ない可能性があります。また、さまざまな企業・ブランドから同じような商品が出品されるため、価格競争が生じやすい点も留意しておきましょう。
EC事業のメリット
EC事業の最大の魅力は、ビジネスが時間や場所の制約を受けないことです。ここからは、EC事業が事業者にとってどのようなメリットがあるのかを解説していきます。
全国どこからでも24時間受け付けられる
ECサイトはメンテナンスやアップデートなどの時間を除き、基本的に24時間365日動き続けます。このため、深夜や祝日、年末年始など、実店舗であれば営業しないときでも注文の受付が可能です。
また、実店舗の場合は物理的な距離が問題で買い物ができない人もいますが、ECならインターネット環境さえあれば全国どこからでも注文ができます。
販売地域を全国に広げられることで、注文数やブランドの認知度の向上が期待できるでしょう。
実店舗がいらない
実店舗が不要なECでは、テナント料や光熱費、販売スタッフの人件費、店舗への商品の搬入や店舗ごとの在庫管理などが発生しません。
テナント料や人件費などの固定費は売上に関わらず毎月ある程度かかるため、固定費を最小限に抑えられるECは事業者にとってコストパフォーマンスのよい事業と言えます。
実店舗が不要であることは、事業の参入・撤退の容易さも意味します。実店舗での影響に必要な物件探しや契約、内装工事などもいらないため、ECサイトを整備すればすぐに事業を始められ、撤退時にはサイトを閉じるだけで事業を停止できます。
ブランディング次第で大きな利益を得られる
消費者に実際に足を運んでもらう必要がある実店舗の場合、立地が売上を左右する重要なポイントになります。地方や交通の便が悪い場所にある店舗の集客力は、駅チカなどの好立地や人通りの多いエリアと比べてどうしても劣ります。
一方、ECはこのような立地の良し悪しに左右されずにビジネスができ、ブランディングや宣伝次第で大きな利益が得られる点が魅力です。SNSやWeb広告を活用した販売促進によって、地方の小さなブランドや個人商店の商品が全国に知れ渡ることもあり得るのです。
EC事業のデメリット(注意点)
コスト面に優れ、工夫次第で大幅な利益向上を実現できる可能性を持つECですが、いくつか注意点もあります。詳しく解説しますので、EC事業のメリットを最大化するためにしっかりと把握しておきましょう。
顧客との接点を持ちにくい
実店舗での販売と異なり、ECでは顧客との設定が持ちにくいというデメリットがあります。実店舗販売のように常連の顔をスタッフが覚えて、その人の好みやタイプにあった商品をおすすめするといったことができないため、お店やブランドのファンを作りにくい可能性があります。
加えて、店舗での対面販売であれば、顧客との会話を通して「こんな商品が欲しい」「このデザインで別の色があったらいいのに」といった意見や要望を聞く機会もあるでしょう。しかし、ECでは注文して初めて顧客との接点が発生するため「なぜ購入に至らなかったのか」を知るのが難しいのです。
このため、メールやSNS、チャットによる問い合わせ対応、購入者へのメールやSNSによる情報発信、アンケート調査などで積極的に接点を持つ工夫が必要です。
競合との差別化が難しい
ECでは全国のオンラインショップが競合となるため、その中で差別化、生き残りを図らなければいけません。
店舗に足を運ばなくても買い物ができるECでは、さまざまなブランドや商品の比較が行いやすいという特徴があります。消費者は複数のショッピングサイトやECサイトを訪問し、値段や特徴、口コミなどをチェックして、その中から最適な1つを選び、購入します。
つまり、競合を押しのけて自社の商品を選んでもらうためには、SEO対策で自社のECサイトが検索上位に表示されるようにすること、さらにブランディングで商品に独自性を持たせることが重要なのです。
関係部署間の連携が欠かせない
EC事業の成功には、商品の企画部門や受注・発注の管理部門、在庫管理、物流部門、サイト運営部門、顧客対応部門など様々な部門の連携が不可欠です。スムーズな連携ができなければ、在庫切れや在庫過多、配送ミスなどが起こりかねません。
受発注システムや在庫管理システムなどを活用して、関係者間でリアルタイムの情報共有や連携ができる体制を整えることが重要です。
通販を運営する場合の必須業務などを詳しく知りたい方は、こちらもご活用ください。
▼徹底解説!通販運営の必須業務と行うべき役割分担
EC事業はメリット・デメリットを理解して始めよう
ECの市場規模は年々拡大しており、今後もBtoB-EC、BtoC-ECともにさらに成長していくでしょう。ECは時間や場所の制約を受けず取引ができる点が大きな魅力です。一方でEC販売を行う全国の同業他社が競合となるため、差別化やリピート顧客の獲得が事業成功の鍵となります。
- EC事業を始めたい(行っている)が、ノウハウ不足が障壁になっている
- 社内のリソースだけでEC事業を回すのが困難
- EC事業の業務フローを効率化・最適化したい
このようなお悩みやご要望をお持ちの方は、ぜひ「TS-BASE 通販」を提供する竹田印刷にご相談ください。
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