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2023.07.26

【物流DX事例】デジタル化・機械化・自動化の取り組み例を紹介

【物流DX事例】デジタル化・機械化・自動化の取り組み例を紹介

目次

物流業界において、人手不足や長時間労働などの課題の改善・解決のためDX(デジタルトランスフォーメーション)化が進められています。アナログで行っていた業務の自動化や作業の自動化などにより、作業効率の大幅な向上やミスの軽減などを実現した事例も数多く報告されています。

この記事では、物流業界のDX化について、取り組み事例や改善が期待される課題について解説します。物流業務のDX化を検討中の方はぜひ参考にしてください。

物流DXとは

DXとは、英語のDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の頭文字を取った言葉で、Transformationは「変革・変容」を意味します。DX化とは、デジタル技術を活用し課題や問題の改善・解消や、新しいビジネスモデルの創出を目指すことです。

物流業界のDX化については、国土交通省の資料でも以下の通り言及されています。

機械化・デジタル化を通じて物流のこれまでのあり方を変革すること。(物流DXにより、他産業に対する物流の優位性を高めるとともに、我が国産業の国際競争力の強化につなげる)

引用:国土交通省「最近の物流政策について」


DX化と似た意味を持つ言葉に「IT化」があります。IT(Information Technology)化とは、アナログな方法で行っていた作業をデジタル技術を活用した方法にすることです。
IT化はアナログからデジタルへの移行そのものを指す言葉であるのに対して、DX化はデジタル化を通した現状の変革を目的としている点が、2つの違いです。

IT化はDX化実現の1つの手段にすぎません。DX化に取り組む際には、既存業務に存在する課題や理想とする状態を明らかにした上で、必要な施策を検討する必要があります。

物流業界におけるDX化の重要性

物流業界でDX化が特に重要視されている背景には、コロナ禍による需要増や、それによる人手不足の加速化、配達の非効率化などがあります。

食料品、衣類、生活雑貨、家具家電など、多くの人がさまざまなものを日常的にオンラインで購入するようになった現在、物流業界への負担は年々増加しています。このため、DX化によって既存のやり方を根本的に改革し、今後も増加すると見られる需要に対応していく必要があるのです。

DX化による改善が期待される物流業界の課題

記事の冒頭で、DX化とは「機械化・デジタル化を通じて物流のこれまでのあり方を変革すること」と解説しました。では、DX化によって具体的に物流業界のどのような現状の変革が期待できるのでしょうか。

ドライバーなどの労働力不足

オンラインショッピングなどの利用増による物流会社への需要が高まる一方で、それに応えるドライバーなどの労働力が不足しているという問題があります。

国土交通省の「最近の物流政策について」でも、物流分野の労働力不足の顕在化が指摘されています。実際に2019年のデータでは約70%の企業が「トラックドライバーが不足している・やや不足している」と回答しました。


深刻な労働力不足の背景にあるのは、主に以下の3つです。

  • 長時間労働(労働時間は全職業平均よりも約2割長い)
  • 低賃金(年間賃金は全産業平均より約1割~2割低い)
  • 労働者の高齢化(全産業平均より若年層の割合が低く、高齢層の割合が高い)

DX化によって業務の自動化や機械化を実現し、働く人にとってより魅力的な業界・職場になることが期待されています。

低いトラックの積載効率

貨物をいかに効率よく積み込めているかを示す積載効率は、BtoC-EC(企業と消費者間のEC)市場の拡大により全体的に低い水準となっています。


BtoC-ECは、BtoB-EC(企業間のEC)と比べて1回の取引(配送)で扱うものの量が少なく、配送先も日々異なります。大量の小口配送によって車両に1回に積める量が減少、さらに時間指定や再配達などへの対応による配送ルートが複雑化し、業務の非効率化が加速しているのです。

物流の2024年問題

物流の2024年問題とは、2024年4月1日以降「自動車運転の業務」に対し、年間の時間外労働時間の上限が960時間に制限されることで発生する諸問題のことです。

1ヶ月の勤務日数を20日と仮定した場合、年間の時間外労働時間を960時間以内に留めるためには、単純計算で1日あたりの時間外労働時間を4時間以内に抑える必要があります。


この時間外労働時間の制限は、ドライバーの過度な長時間労働をある程度抑制する効果があるでしょう。一方で、これまでドライバー不足を長時間労働によって何とかカバーしていた物流会社にとっては、2024年4月以降業務が回らなくなる危険性も含んでいます。

ドライバーの労働時間に制限がかかることで、ドライバー一人あたりが1日で運べるものの量が減少します。それにより企業や業界の売上減少や物流コストの増加などが引き起こされる可能性があるのです。


物流とは、文字通り「ものの流れ」を意味します。その流れが悪くなることで、企業が商品の製造に必要な原材料を入手したり、商品を消費者に届けたりするためのコストや時間が増加し、社会全体に影響が出ると懸念されています。

物流業界のDX化事例

物流業界が抱える諸問題の改善効果が期待されるDX化ですが、具体的にどのような取り組みがあるのでしょうか。ここからは、物流業界におけるDX化事例を次の3つのポイントで紹介しましょう。

  • 業務の自動化
  • データのデジタル化
  • 作業の機械化

業務の自動化

業務の自動化とは、従来人の手で行っていた業務をシステムやAIなどに置き換えることです。例えば次のような取り組みが挙げられます。

  • システムによる配送依頼受付の自動化
  • システムによる倉庫作業の自動モニタリングや配置計画の自動作成
  • 画像解析技術による検品業務の効率化
  • AIによる配送ルートの最適化

AIを始めとするインターネット技術は年々発展しており、以前は「これは人間にしかできないだろう」と思われていた業務の自動化も実現しています。


業務の自動化は、作業時間の短縮、ミスの軽減、人件費の削減といった数値などで表される効果以外にも、現場で働くスタッフのストレス軽減などの効果も期待できるでしょう。

情報のデジタル化

データのデジタル化とは、これまで紙やExcelなどのアナログな方法で管理していた情報をシステムなどで管理することです。具体的には以下のような取り組みがあります。

  • 受発注情報、在庫情報、顧客情報、配送情報などのシステム管理
  • 商品データのシステム化
  • RFID(電波などを利用してICタグの情報を非接触で出入力する技術)を活用した商品管理
  • OCR(光学文字認識技術)を活用した紙の納品書や伝票のデータ化

情報をデータ化し、システムで一括管理する最大のメリットは、アクセス性の向上です。業務のすべての関係者が必要なときに最新の情報を即座に入手できることで、情報共有不足によるミスの発生や業務の非効率化を防止できます。

作業の機械化

作業の機械化とは、人が行っていた作業を機械やロボットを用いて自動化・無人化することです。AGV(自動搬送車)やAGF(無人搬送フォークリフト)などを用いた倉庫内作業の自動化が代表例です。

長時間の作業ではどうしても集中力が低下してしまう人と異なり、機械やロボットは電力さえあれば長時間プログラムされた通りの動きをし続けます。休日や深夜などの時間帯にも継続して作業が可能になるため、物流業務全体の効率化にもつながります。


また、操作に免許が必要なフォークリフトなどの操作を機械が代替することで、より幅広い人材が物流現場で働けるようになり、労働力不足の改善も期待できます。

事例を参考に物流DXに取り組もう

物流業界が現在抱えている労働力不足や2024年問題などを改善・解消するためには、DX化による業界の変革が欠かせません。しかし、社内のノウハウやリソース不足により、DX化がなかなか進まないという現場もあるでしょう。

  • DX化に取り組みたいが、何から手をつければよいかわからない
  • 目先のDX化のみならず、物流業務を根本的に見直したい
  • 社内のノウハウだけでは不安なので、第三者の意見を取り入れたい

このようなお悩みやご要望をお持ちの方は、ぜひ「TS-BASE 物流」を提供する竹田印刷にご相談ください。
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