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2023.07.05

物流業界が抱えている課題とは何か?現状と対策も詳しく紹介

物流業界が抱えている課題とは何か?現状と対策も詳しく紹介

目次

物流業界が抱えている課題や対策を知りたい、と調べている方もいらっしゃるかと思います。


物流業界では、インターネットショッピングの普及で宅配需要が増加しているものの、働き手が足りないという深刻な問題に悩まされており、早急な対策が必要といえます。


本記事では、物流業界の現状と課題、解決するための方法について、詳しく紹介していきます。

物流業界の現状

まずは、物流業界の現状について説明します。


国土交通省が発表している「令和3年度 宅配便取扱実績」によると宅配便取扱個数は、前年度に比べて約2.4%増加しています。またその中で、トラック運送がほとんどの割合を占めていることがわかります。


近年ではコロナ禍もあり、EC市場の拡大・個人によるネットショッピングの需要が増えたことにより、宅配便の取り扱い個数が増加しているのです。さらに、物流業界では人手不足が深刻化しており、配送料金の値上げが続くなど、物流業界における課題が顕在化しているといえます。


出典:令和3年度 宅配便取扱実績について|国土交通省

物流業界が抱える主な課題

物流業界が抱える主な課題について、以下4点を挙げて説明します。

  • 人手不足
  • 労働環境悪化
  • 管理の複雑化
  • 2024年問題

人手不足

物流業界では、人材不足が深刻な課題となっています。


物流業界では、インターネット通販の普及により、GW や年末年始などの連休に宅配需要が急増することが増えてきており、十分な人材を確保するのが難しくなっています。


新型コロナウイルスの流行のときは、自宅で過ごす人が増えたため宅配需要も増え、物流が重要な役割を果たしましたが、同時に物流業界の人材不足が更に顕著になりました。


また、他の業界同様に少子高齢化の影響を受けており、ドライバーの高齢化も目立っています。物流業界は、宅配需要が増加しており、人手が必要だが、増えていないことが深刻な課題です。

労働環境悪化

労働環境が悪化していることも、物流業界の課題です。


物流業界では、個人宛の宅急便やC to Cマーケットの普及により、小口配送が増えています。通常量だけでもドライバーやカスタマーサポートセンターは忙しい上に、再配達にも対応しています。配達先が不在で、宅配ボックスも埋まっているなどがあると、何度も訪問しなければなりません。


物流業界における「労働環境悪化」は、人材不足と関連しており、業界の発展に悪影響を及ぼしています。

管理の複雑化

管理の複雑化も、物流業界を悩ます課題の一つです。


物流業界では小口配送が増えたことで、倉庫での在庫数など、商品管理業務が複雑化している傾向にあります。


また、配送スピードは年々迅速化しており、物流業界では倉庫内での商品のピッキングや流通加工、出荷作業に迅速に対応しなければなりません。


また、顧客は在庫や出荷状況についてのリアルタイムの情報を求めています。これに応えるためには、高度なデータ管理と共有が必要であり、商品管理の複雑さを増加させている原因の一つです。


物流業界では、管理の複雑性を感じており、課題に対処するためには倉庫管理システムの導入や、効率的に業務プロセスを進めることなどの対応が必要です。

2024年問題

2024年4月以降、働き方改革関連法が物流業界にも影響を及ぼします。


働き方改革関連法では、2024年4月1日以降自動車運転業務について「年間時間外労働時間の上限が960時間」と制限されることが決定されています。違反した場合は6ヶ月以下の懲役又は30万円以下の罰金という罰則が設けられているのです。


このことで、物流業者の売上・利益が減少する可能性が高いことや、ドライバーの収入減少など、多くの問題が発生することが懸念されています。


一部の働く人にとっては残業時間が減るなどよい効果が見られるかもしれませんが、同時に収入が今までよりも減ること、物流業界が今までと同じ業務量を継続することが難しくなる可能性が高く、深刻な課題であることは間違いありません。

物流課題を解決するために必要な努力

ここまで、物流業界の課題を紹介しました。それでは、課題を解決するためには何をすべきでしょうか。ここからは、以下5点の対策を紹介します。物流業界の知識として参考にしてみてください。

  • 現状の見える化
  • 輸送網の集約
  • モーダルシフト
  • 輸配送の共同化
  • デジタル技術の活用

現状の見える化

1つ目の方法は、現状の見える化です。

会社として抱えている課題を明確にし、効率的な意思決定を促していくためにも、物流プロセス全体の現状を見える化することが大切です。


たとえば、入出荷のデータ数・在庫管理データ・配送状況データを集めて分析することで、需要の傾向やパターン、繁忙期閑散期などを特定することが可能です。これにより、人材の適切な割り当て、需要に合わせたサービスの提供などが可能となるでしょう。

また、業務プロセス全体を管理できるようになり、どこにボトルネックや非効率な部分があるかを特定でき、迅速な対応も可能となるでしょう。業務負荷がかかっているところを特定できれば、人材の配置変更やシステムを導入するなど、労働環境をよりよくするための対策にも繋がります。


物流業界の課題である、人材不足への対応や労働環境悪化、管理の複雑化を対策するためにも現状の見える化が重要です。

輸送網の集約

2つ目の方法は、輸送網の集約です。

輸送網集約とは、物流総合効率化法で定められている流通業務の効率化方法の一つです。


国土交通省によると、輸送網の集約では、トラック輸送網を再編してトラックの走行量を削減することが目的とされています。

輸送網の集約によって、一度に多くの貨物を移動でき、運送コストを抑える効果を期待できます。また、空運転や不完全な積み荷を減少することでトラックの使用率向上、時間と人的リソースが節約できるでしょう。燃料消費を削減し、排出ガスを減少できる効果も期待できます。


輸送網の集約により、物流業界の課題を解決に繋げる効果を期待できます。

モーダルシフト

モーダルシフトも、物流総合効率化法で定められている流通業務の効率化方法の一つです。


モーダルシフトとは、従来トラックで輸送していた貨物・これから新たに輸送を開始する貨物について、鉄道や船を活用して、多くの荷物を少ない人手で輸送できるようにする取り組みのことを指します。トラックの走行量を削減し、鉄道や船による貨物輸送量を増加させることが目的です。

モーダルシフトはトラックでの輸送時に排出するCO2も削減できるため、地球温暖化対策計画にも盛り込まれています。

輸配送の共同化

輸配送の共同化も、物流総合効率化法で定められている、流通業務の効率化方法の一つです。

輸配送の共同化とは、複数の企業が扱う荷物の混載や倉庫を共有化し、物流プロセスの効率化を実現する方法です。


たとえば、トラックの走行量・台数を削減するために貨物を混載し、トラックの積載効率を向上させることが挙げられます。また、従来企業間で重複している輸送ルートを一本化することも対策の一つです。


輸配送の共同化は人手不足への対応としては効果的ですが、従来に比べて柔軟な対応を受けづらくなることも課題です。

デジタル技術の活用

デジタル技術の活用も、課題を解決するための方法の一つです。


たとえば、GPSやリアルタイムの交通データを活用して、配送ルートを最適化することで、燃料消費減少・配送時間の短縮・効率が向上します。RFIDタグを使用すれば、倉庫内の商品の位置や数量をリアルタイムで追跡できるようになり、在庫管理の効率化に繋がるでしょう。また大量のデータを AI や機械学習で分析することで、需要の予測・リードタイムの最適化も行えます。

さらに、商品の受発注において、メール・FAXなどさまざまな注文方法がある場合、システム化して一貫したフォーマットで注文内容を受け取れば、その後の出荷手続きが円滑に行えます。データとして管理しやすくなるため、在庫管理にも役立ちます


物流業界の課題に対応するためには、デジタル技術の活用が必須といえます。

物流業界で課題を感じているならTS-BASEがおすすめ

本記事では、物流業界の主な課題と解決するための方法について紹介しました。


物流業界では、人材不足と小口配送需要の増加により、深刻な課題に直面しています。2024年4月からは働き方改革関連法が自動車運転業務に適用されるため、現状の業務量を維持するだけでも難しくなるでしょう。


課題に対応するためには、システム導入やアウトソーシングが効果的です。

TS-BASE では、物流業界の課題解決のために、受発注システムや物流センターのアウトソーシングを提供しています。


24時間注文を受付し、統一したフォーマットで受け取ることができ、複雑であった物流情報管理がしやすくなります。また、入庫検品・出庫検品の手間も削減できるため、課題を感じている物流の業務効率化に大きく貢献できるでしょう。

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