TS-BASE 物流
2023.07.05
物流はアウトソーシングすべき?対応業務・メリット・デメリットを詳しく紹介!
自社製品や販促物などの物流をアウトソーシングしたい、と考えている企業もいらっしゃるかもしれません。自社で倉庫を持つことはコストがかかるため、専門業者に依頼するのも業務効率化するための一つの方法です。
本記事では、物流のアウトソーシングについて、概要と背景、対応業務、メリット・デメリットを詳しく紹介していきます。
目次
物流のアウトソーシングとは
物流のアウトソーシングとは、企業が自社の製品や販促物などに関する物流業務を、外部の専門業者に委託することです。アウトソーシングすることで、業務ノウハウを持たない企業でも、豊富な経験と専門知識を持った専門性の高いサービスを受けることが可能です。
自社で倉庫や物流センターを持つことは、トラックや倉庫・人件費など、多くの固定コストがかかります。外部に委託することで、コストを削減し効率を向上させることが可能です。物流に関連するリスクを軽減するためにも、アウトソーシングは有効な手段といえます。
また、物流をアウトソースすることで、物流に関わる人員を他の重要な業務に配置し直すなど、自社のリソースをより効果的に活用できるでしょう。
物流には自社の従業員が物流知識を持たなくなるなど、デメリットが存在します。アウトソーシングするときには、メリット・デメリットをしっかりと理解した上で検討することが大切です。
物流業界にアウトソーシング化が求められる背景
物流業界にアウトソーシング化が求められる背景について、以下2点を挙げて説明します。
- 人材不足への対応
- 2024年問題への対応
人材不足への対応
物流業界では、人材不足が深刻な課題となっており、アウトソーシング化に注目が高まっています。
近年では、オンラインショッピングの普及により、物流サービスに対する需要が増加しています。これに伴い、物流業界では迅速に人材を確保する必要が生じています。
しかし、物流業界は若い労働力の不足が深刻な問題です。ドライバーや倉庫作業員などは人手不足により、激務化している従業員もいるでしょう。物流業務は単に荷物を運ぶだけでなく、在庫管理や出荷・ルート最適化など、高度な技術を必要とする場面も多いため、業務を維持することが難しくなりつつあります。
物流業界では、人材不足によりアウトソーシング化が必要とされています。アウトソーシング化すれば、企業は専用の物流会社に業務を任せ、人材の確保と育成にかかるコストやリスクを軽減できるでしょう。
2024年問題への対応
物流業界では、2024年問題への対応も深刻な課題です。
2019年から進められている働き方改革関連法が、2024年4月には自動車運転業務に対して適用されるようになります。具体的には、自動車運転業務につく労働者の時間外労働時間が、上限年960時間に規制されるのです。上限を超えると罰則が与えられるという特徴もあります。
ドライバーによっては働きやすくなる方もいますが、物流業界ではドライバー不足が深刻な問題であり、この規制が適用されると従来の業務量への対応が難しくなり、物流業務に大きな影響を及ぼしてしまうでしょう。
そのため、2024年問題への備えとして物流をアウトソーシングすることに注目が高まっています。自社で対応できない部分も物流会社に依頼することで荷主にとって最適な配送手段を提案してくれる可能性が高まります。
物流のアウトソーシング先が対応できる業務内容
物流のアウトソーシング先が対応できる主な業務内容について、以下6点を紹介します。
- 在庫保管
- 荷役
- 在庫管理
- 出荷指示
- キッティング
- 受注処理
在庫保管
1つ目は、在庫保管です。
在庫保管とは、商品や材料を適切に管理し、必要に応じて配送や出荷を行うための重要な業務です。アウトソーシング先には、在庫保管に関する主な業務内容に対応しているところも多いです。
在庫保管の業務には、倉庫内での商品の適切な配置と整理も含まれます。アウトソーシング先は、倉庫のスペースを効率的に使用するとともに、専用のシステムを使用して効率的に管理できるでしょう。
荷役
物流のアウトソーシング先では、荷役も受け付けているところも多いです。荷役には、入出庫・ピッキング・仕分けなどの庫内業務が含まれます。
入庫とは、商品や材料が倉庫に受け入れられ、適切な場所に格納される業務です。出庫とは、注文に従って商品が倉庫から取り出され、配送や出荷のために準備される業務です。
ピッキングとは、倉庫内で特定の商品を探し出し、注文内容に従って集める作業です。仕分けとは、ピッキングされた商品を特定の注文や配送ルートに従って分類するプロセスで、複数の注文を効率的に処理することができます。
物流のアウトソーシング先は、これらの荷役業務を効率的に行うための専門知識と経験を豊富に持っています。
在庫管理
在庫管理とは、倉庫で保管する商品や材料に関して、過剰在庫や在庫切れを防止し、最適化を図る業務で、多くの物流アウトソーシング先が対応しています。
在庫管理には、商品の詳細・数量・位置などのデータが含まれます。アウトソーシング先は、一般的に在庫管理システムを使用し、倉庫の全体在庫数・出荷準備中在庫数・注文が可能な在庫を管理していきます。
アウトソーシング先は、商品が必要なタイミングで適切に取り出せるように、在庫管理の最適化を図っています。
出荷指示
アウトソーシング先の多くは、出荷指示にも対応しています。出荷指示とは、専用のオンライン注文システムから注文が行われた際に、その注文情報をリアルタイムで物流センターに伝え、効率的に出荷する業務のことです。
顧客からオンラインで商品の注文を受けたら、注文情報(商品、数量、配送先など)を管理しているシステムが、注文情報を物流センターに情報転送してくれます。
アウトソーシング先は出荷指示に対応することで、顧客への迅速で正確な配送を可能にします。
キッティング
物流のアウトソーシング先では、キッティング作業にも対応してくれるところがほとんどでしょう。
キッティングとは、製品の組み立て・設定・テストなどを含む、出荷前または出荷後の業務のことです。たとえば PC やスマホのセットアップ・初期設定が挙げられるでしょう。
物流業務では、特定のアプリケーションのインストールや、顧客のブランドに合わせた外観のカスタマイズなど、顧客の要求に応じて製品の特定の設定やカスタマイズが必要になることもあります。
設定が終わったら、電子機器の機能と品質を確認するために、電源のテスト、ウイルスチェック作業などの品質検査とテストが行われます。セットアップが完了したら、製品を梱包し、出荷の準備をします。
受注処理
アウトソーシング先には、受注処理にも対応しているケースもあります。
メール・FAX・電話・システムなど、さまざまなルートからの注文受付に対応できるアウトソーシングもあるため、顧客は従来の方法から変えずに発注が可能です。
ただし、注文受付方法が多いほど、アウトソーシング費用が増える可能性があります。そのため、近年では専用の注文受付サイトを設けるなど、受注処理を一括にまとめて対応する企業も増えています。
物流に関わる業務をアウトソーシングするメリット
物流に関わる業務をアウトソーシングするメリットについて、以下5点を挙げて説明します。
- 物流業務をお任せできる
- 業務フローのシンプル化
- コスト削減
- 品質の安定化
- イレギュラー対応も容易
物流業務をお任せできる
1つ目のメリットは、物流に関する業務を外部の専門業者にお任せできることです。
アウトソーシング先は、最新の物流技術とノウハウを持っているため、自社では対応できない高い水準のサービスを、顧客に提供できる可能性が高まります。自社製品や販促物などに関しても、自社内でわざわざ物流倉庫を用意しなくとも、アウトソーシングすれば、自社で人員を確保する必要がなく、専門性の高い担当者が効率的に対応してくれます。
物流業務をアウトソーシングすれば、自社が専門知識を持たなくとも品質の高いサービスを提供できるでしょう。
業務フローのシンプル化
2つ目のメリットは業務フローをシンプル化できることです。
物流業務には、一般的に、入庫管理・出荷・輸送・配送など、さまざまな作業があり、自社で全て実施・管理することは大きな手間がかかります。これらの業務を外部の専門業者に委ねることで、自社内の手間を省き、業務フローが簡素化され、内部リソースを最適化できます。
物流に関わる業務をアウトソーシングすることにより、企業は自社内業務フローをシンプル化でき、効率的な業務遂行が可能となるでしょう。
コスト削減
3つ目のメリットはコスト削減です。
自社で物流業務を行う場合、倉庫の維持・人件費・トラック・管理システムの導入など、多くのコストがかかります。アウトソーシングすることで、これらの業務を専業者に一括して委託することができ、コストが低減します。
物流に関わる業務をアウトソーシングすることにより、コスト削減を期待できます。
品質の安定化
4つ目のメリットは品質の安定化です。
物流は高い品質が求められる業務であり、自社で維持し続けることは容易ではありません。アウトソーシングすれば、物流業界の知識と、最新の技術を持った専門業者が対応するため、検品・流通加工の品質も安定して高くなるでしょう。
物流に関わる業務をアウトソーシングすることで、経験豊富な物流の専門的な業者が高い品質のサービスを一貫して提供してくれます。
イレギュラー対応も容易
5つ目のメリットはイレギュラー対応も容易であることです。
物流業務を自社内で対応する場合、イレギュラー事象が発生した場合は、一時的な人員の増員や設備投資が必要となるなどコストがかさむことが考えられます。
アウトソーシング先は、多くの顧客を抱えているため、イレギュラー対応も柔軟に対応することが可能です。需要が高まる時期においても、追加の倉庫スペースや配送の仕組みを増量できるため、自社が手を動かさなくても対応してくれるでしょう。
物流に関わる業務をアウトソーシングすることで、物流ニーズの変動に柔軟に対応できるようになります。
物流に関わる業務をアウトソーシングするデメリット
物流に関わる業務をアウトソーシングするデメリットについて、以下3点を挙げて説明します。
- 件数に応じて費用が変わることも
- 責任範囲が難しいことも
- 自社スキルダウンの可能性も
件数に応じて費用が変わることも
1つ目のデメリットは、件数に応じて費用が変わる可能性もあることです。
アウトソーシング先の多くは、出荷する件数や商品点数に応じて課金します。そのため、件数が多い月は、想定していた以上にアウトソーシングの費用がかかることも考えられます。
そのため、アウトソーシングする際は、繁忙期・閑散期・イレギュラーな対応などを含めて、どれくらいの費用がかかるか、余裕を持って算出しておくべきです。
責任範囲が難しいことも
2つ目のデメリットは、責任範囲が難しい場合もあることです。
専門業者に依頼しても、実際に作業するのは物流業者の下請けの企業の場合もあります。そのような場合、出荷などでトラブルが発生した時に、どこに責任があるのか、責任の所在がわからなくなることも考えられます。
責任範囲が曖昧になることを防ぐためには、アウトソーシング先の体制や運営フローをしっかりと確認し、トラブルが起きたときの責任所在を明確に把握しておくことが大切です。
自社スキルダウンの可能性も
3つ目のデメリットは自社スキルダウンの可能性もあることです。
外部業者にアウトソーシングすれば、自社の負担は減るというメリットはあるものの、物流に関連する業務ノウハウが自社に蓄積されなくなります。企業自体が物流の運営に直接関与しなくなるため、物流プロセスの最適化や効率向上のためのノウハウを学ぶ機会が一気に減少してしまうのです。
そのため、アウトソーシングして数年後に自社で物流センターを開設することになった場合、これまで物流を外部に委託していたため、内部には物流センターの運営や効率化に必要なスキルや経験がほとんど存在しないこととなります。
この結果、物流センターの開設と運営に予想以上の時間とコストがかかり、企業の競争力に悪影響を及ぼすかもしれません。
物流のアウトソーシングならシステム導入もおすすめ
本記事では、物流業務のアウトソーシングについて紹介しました。
物流業務をアウトソーシングすれば、自社の業務プロセスをシンプル化でき、コスト削減も期待できます。しかし下請け業者が担当したことによるトラブルなど、デメリットも避けられません。
TS-BASE 物流では、全て自社の物流センターで出荷対応するため、下請け出荷はありません。TS-BASE 受発注と連携することで、アウトソーシングしながらも現在の注文状況・出荷状況・在庫数などを確認することができるため、自社の物流ノウハウも蓄積できます。
物流のアウトソーシングをお考えなら、一度当社にご相談ください。
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