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2023.06.08
ECサイト構築にかかる費用は?相場・内訳・検討ポイントなど解説
EC(電子商取引)サイトは急速に成長し、多くの企業がオンライン販売に参入しています。しかし、ECサイトを構築するには一定の費用がかかるものです。
本記事では、ECサイト構築にかかる費用相場や費用の内訳、検討すべきポイントについて解説します。
ECサイト構築の費用について知り、計画立案に役立てていただければ幸いです。
目次
【方法別】ECサイト構築の費用相場
まずはECサイトを構築する方法別に費用の相場を見ていきましょう。ここで紹介する費用相場は目安であり、利用するサービスなどによって費用が変わる場合があるので、ご注意ください。
以下5つのパターンごとの費用相場を紹介します。
- ECモールに出店・出品する場合
- ASPを利用する場合
- ECパッケージを利用する場合
- オープンソースを利用する場合
- フルスクラッチで開発する場合
ECモールに出店・出品する場合
ECモールとは、Amazonや楽天市場、Yahoo!ショッピングなど複数の企業やブランドが出品・出店をするネット上のショッピングモールのことです。
モール型によるECサイトの構築費用・料金相場は、無料~10万円ほどとされています。
ECモールに出店・出品してECサイトを構築する主なメリットは、以下の通りです。
- ECモールの高い集客力を利用できる
- 売上処理、受注管理、決済処理、顧客サポートなどインフラストラクチャーを利用できる
- 多くにユーザーの目に留まる可能性がありブランド認知度の向上が図れる
- 費用が比較的安い
- ECモールが提供するデータ分析と改善案などを受け取れる場合がある
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 販売手数料が発生する
- 他店との競争が激しい
- 他店と差別化が難しい場合がある
- 自社ビジネスがECモールに依存する割合が高くなりがち
ASPを利用する場合
ASPとはApplication Service Providerの略称で、「ECサイトの仕組みをインターネット上で使わせてもらえる」サービスのことを意味します。自社でECサイトを立ち上げる場合、最も初期費用・維持費用が抑えられる手法が、ASPを利用する方法です。
具体的なサービスとしては、MakeShopやBASE、STORESなどがあり、これらは無料で基本機能を使え、サーバー・ソフトのインストール不要なプラットフォームです。
有料のサービスを利用する場合、デザインやカスタマイズにかかる初期費用は数万円程度、ストレージの使用量やプランによって発生する月額の費用は一般的に数千~数万円ほどとされています。
ASPを利用してECサイトを構築することには、以下のようなメリットがあります。
- 低いコストでECサイトを構築できる
- ECサイト構築のための専門知識が不要
- ASP側でセキュリティ対策を実施している
- トラブルが発生した際のカスタマーサポートを利用できる
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- サイトのカスタマイズに限界がある
- ASPのサービス終了により自社ECサイトの存続が難しくなる場合がある
- ASP側で決めた規約や運用ルールに従う必要がある
- セキュリティ対策が不十分なASPを利用してしまうと情報漏えいなどのリスクがある
ECパッケージを利用する場合
ECベンダーが開発した、ECサイトの立ち上げに必要な機能が備わっているパッケージソフトを購入し、サイト構築する手法もあります。
この場合の初期費用相場は数百万円ほど、月額でも数万円~数十万円のランニングコストがかかるのが一般的です。
ECパッケージを利用してECサイトを構築することには、以下のようなメリットがあります。
- 構築済みの機能やテンプレートを利用するため、導入が比較的容易
- サイトのカスタマイズ性が高い
- ECパッケージを提供するベンダーのサポートを受けられる
- 機能が充実している
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 金銭的なコストが高額になりがち
- 同じECパッケージを使って作られた他社サイトとデザインや構造が似てしまう可能性がある
- ECパッケージの提供が終了した場合、自社ECサイトの存続が難しくなる場合がある
- ECパッケージの提供ベンダーによってサポートの内容や質が異なる
オープンソースを利用する場合
オープンソースとは、無償公開されているECサイトの構築システムのことです。サーバーやドメインの取得費用を除いた純粋な構築費用は無料。構築作業を外部へ委託した場合は、初期費用で50万円前後、運用や保守も依頼する際は月に数万円~数十万円程度かかるのが相場とされています。
オープンソースを利用してECサイトを構築することには、以下のようなメリットがあります。
- 導入にかかるコストを抑えられる
- 使える機能が豊富
- 使えるデザインてプレートが豊富
- オープンソースを提供するコミュニティ側でサポートやアップデートなどを行ってくれる
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- ECサイト構築の専門的な知識・技術が必要
- サイトの構造によってはカスタマイズが複雑化する可能性がある
- オープンソースはユーザーが多い分、サイバー攻撃の対象になりやすい
- 運営やアップデートはオープンソースを提供するコミュニティに依存する
フルスクラッチで開発する場合
フルスクラッチとは「ゼロから完全にオリジナルのシステムを開発する」ことです。今回の場合、既存のシステムやテンプレートを利用せず、ECサイトをすべて1から構築することを意味します。
フルスクラッチの場合、カスタマイズ性に関しては高い一方、開発費用は他の手法とくらべて最も高く、約1千万円以上かかることもあります。月額でかかる維持費用も数万円~数十万円に及ぶ場合があるため、構築したいECサイトとコストを比較して、フルスクラッチで開発すべきかどうか検討しましょう。
フルスクラッチでECサイトを構築することには、以下のようなメリットがあります。
- 自社独自のECサイトを構築できる
- カスタマイズやデザインの自由度が高い
- 自社で運営するため、他社のサービスに依存しない
- ECサイトを通したブランドイメージの構築も可能
一方で、以下のようなデメリットもあります。
- 金銭的なコストが非常に高い
- サイト構築に時間とリソースが必要
- 専門的な技術・知識が求められる
- セキュリティ対策やサイトのメンテナンスなどを全て自社リソースで行う必要がある
システム構築以外にかかる費用
ECサイトの構築には、システム構築以外にも費用が発生します。ここでは、主な費用の例を紹介します。記載している具体的な金額は、目安とお考えください。
- デザイン費
- 商品の撮影費
- プロモーション費
デザイン費
まずはデザイン費です。ECサイトのトップページや商品詳細ページなどをデザインするためにかかる費用のことを意味します。
サイト・ページのデザインは売上やリピート率に直結する重要な要素です。社内にWebデザイナーがいる場合やデザインテンプレートを使って作る場合は費用がかかりませんが、外注する場合は下記の費用がかかります。
- コンセプトやレイアウト(設計図)の決定:約50万円
- トップページや商品詳細ページのデザイン:約70万円
- コーディング:約60万円
商品の撮影費
実際に手にとって商品を見られないECサイトでは、写真の良し悪しが購買に直結します。そのため、商品の写真撮影のために専門器具を揃えたり、プロのカメラマンに依頼したりすることがあります。
同じ商品であっても、いわゆる写真の雰囲気や、商品を実際に使用している画像を掲載することで、売上が大きく伸びることもあるので、非常に重要なポイントです。
基本的に撮影のためには、一眼レフカメラや三脚、レフ板、照明、さらに撮影した写真を編集するためのソフトが必要になります。
プロモーション費
プロモーション費とは、ECサイトに訪問してもらうための広告などにかける費用のことです。ECサイトを構築しただけではユーザーが集まりにくく、サイトを広告し、多くのユーザーに訴求することで初めてユーザーが訪問してくれるようになります。
プロモーション費としては、以下のものが挙げられます。
- Googleなどの検索エンジンに出稿するリスティング広告
- ECモール内での検索広告
- アフィリエイト広告(成果報酬型)
- TwitterやInstagramなどのSNS広告
金額はどの程度の規模・期間でプロモーションを行うかによって大きく異なります。
またECサイトを訪問したユーザーに対して、販売促進をするための販促費(割引クーポンやポイント還元など)もプロモーション費の一部です。
ECサイトの構築方法を考える際のポイント
先述の5つのECサイト構築方法の中から、どれが自社に合っているか悩む方もいると思われます。
ここではどのような基準で構築方法を決めればよいのか、ポイントをまとめました。
ECサイトの規模
まずは構築するECサイト規模や売り上げの目安を基準に構築方法を考えてみましょう。
小規模であまり大きな売上を狙わないのであれば、ECモールやASPなどを活用して、コストを抑えた構築方法を選んだ方が利益につながる可能性が高いでしょう。
一方で、数億〜数十億円単位の売上を狙う、企業の事業などとしてECサイトを運営する場合、デザインや機能などにこだわり、自社独自のサイトにすることが望ましいでしょう。そのためには、コストはかかるけれどもオープンソースを利用したり、フルスクラッチで開発したりして、自由度の高さを優先することをおすすめします。
手数料・運営コスト
ECサイトは構築しすれば終わりではなく、継続的な運用が必要です。そのためには運営のコストがかかります。
例えばフルスクラッチで構築した自社ECサイトであれば、サーバー費用、独自ドメイン費用、SSLの維持費用、在庫管理などの人件費、定期的なメンテナンス費用などがかかるでしょう。
ECモールやASPでECサイトを構築した場合は、月額利用料、決済・販売手数料、オプション機能料などがかかります。
このようなランニングコストも考慮して、利益につながる構築方法はどれか検討してください。
サイトのデザイン
先述のとおり、ECサイトや各ページのデザインは、売上に大きく関わる要素です。どの程度デザインが必要なのかによって、サイトの構築手法も変わります。
例えば、ECモールやASPを使う場合、デザインは基本的にテンプレートを利用することになります。デザインの知識がなくても見栄えの良いサイトにできますが、テンプレートを使用するため、他社のサイトとの差別化が難しい可能性があります。
一方、フルスクラッチで開発した場合、サイトのデザインは自社で自由に決めることができます。その分、デザインを考えるリソースが必要だったり、デザイナーの人件費がかかったりと、コストは大きくなりがちです。
想定している自社ECサイトのデザインの自由度なども、構築手法を選ぶ基準になります。
自社開発または外部委託
ECサイトの構築には、「ささげ業務」という商品画像の撮影や商品詳細を掲載するための採寸、商品の説明文の執筆などさまざまな業務が発生します。
このような作業を内製化(自社開発)するか外注するか迷う企業も多いので母にでしょうか。内製化するか外注するかによって費用は大きく異なります。
どちらを採用するかは、自社内に技術者がいるかどうかがキーになります。
自社に専門知識を持つ技術者がいれば内製化ができるでしょう。そのような技術者がいない場合は、内製化が難しく、人材の採用から行う必要が生まれます。
一方、プロの制作会社に外注することによって、費用はかかるかもしれませんが自社に技術者がいなくてもクオリティの高いECサイトを短い時間で構築することが可能です。
同じ商品であっても、商品画像や説明文によって売れ行きが大きく左右されるため、初期費用面だけを考えて内製化するのではなく、長期的な利益を含めて検討することが大切です。
リニューアルや事業拡大への対応
ECサイト構築直後は販売する商品数が少なく、想定している年商が数十万円程度であっても、広告宣伝の効果が出て認知度が高まれば、ECサイトの規模を拡大できる可能性が出てきます。そのような場合、必然的にサイトリニューアルなどが発生し、無料ECサイト作成サービスなどでは機能的に対応できなくなるケースもあるでしょう。
ECモールやASPからサイトの引越しを行うにも大きなコストがかかるため、将来的な拡張性も考慮して構築方法を選ぶべきです。売り上げの増加に伴い、サイトの規模を拡大していく予定があるなら、より自由度の高い構築方法を選びましょう。
サポート体制・セキュリティ体制
ECモールやASPなどを利用する場合、サイト構築後のサポート体制がどの程度整っているのかも確認すべきポイントです。サポートは電話なのかメールなのか、どの範囲までサポートを行っているのかなどを事前に把握しておきましょう。
上記のようなサポートが手厚いサービスは利用するメリットが大きいでしょうし、もし十分にノウハウを持っていて、社内で問題を解決できるのであればサポートのないフルクスラッチなどでも対応できると思われます。
サポートとあわせて確認しておきたいのが、ECモールやASPのセキュリティ対策です。ECサイトでは顧客情報を取り扱うため、万全のセキュリティ対策が必要になります。セキュリティ対策が不十分なサービスを利用してしまい、情報漏えいなどの事故が起きれば、顧客に被害が及ぶことはもちろん、自社の信用性を損なう事態になりかねません。
運営元がISMS(情報セキュリティマネジメントシステム)認証やプライバシーマークなどの情報セキュリティに関する認証を取得しているか、プライバシーポリシー、個人情報保護方針などとあわせてチェックしてください。
ECサイト構築は初期費用と運用費用の試算が重要
ECサイト構築にかかる費用は、様々な要素によって変動します。初期投資や運営費用、プロモーション費用など、検討すべきポイントも多岐にわたりますが、一般的な相場は、数十万円から数百万円ほどと認識してください。
費用と、どのようなECサイトを構築したいのかを整理した上で、自社に適切な構築方法を選びましょう。
弊社が提供する「TS-BASE 通販」では、ECサイトの構築から、商品の物流まで全てオーダーメイドで対応いたします。サイト構築だけでなく在庫管理や発送の手配などについて専門知識がない企業でも安心してEC事業に取り組むことが可能です。
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