協育歯車工業株式会社
FAXからWeb注文への切り替えで約5割の業務削減を実現
- 製造
- TS-BASE 受発注
- 受発注業務の効率化
モノづくりには欠かせない小型精密歯車の開発・製造を行う協育歯車工業株式会社は、規格歯車のパイオニア企業として、追加工不要な完成品に近い商品をバラエティ豊かに提供している。近年は、欧米およびアジア各国にも販売網を広げ、小型化が著しい精密機器の未来のため、新たな技術をもって高品質な製品を生み出し続けている。
- 課題
・FAX注文への対応
・基幹システムへの手入力作業
・取引先の利便性や提供サービスの向上
・アナログ作業でのミスや業務効率化への対策
- 施策
・TS-BASE 受発注の導入でWeb注文へ切り替え
・基幹システムとTS-BASE 受発注のデータ連携
・受発注・配送データを一気通貫で活用
- 結果
・FAX注文の廃止
・データの手入力作業がほぼなくなる
・取引先とのFAXのやり取りがなくなる
・支店業務も含め大幅な業務改善を実現
モノづくりを支える歯車のパイオニア「協育歯車工業株式会社」
昭和33年創業の協育歯車工業株式会社(以下、協育歯車工業)は、スタンダードストックギヤのパイオニア企業として、規格化した歯車約3000種類(2024年10月現在)の商品を常時ストックしている。国内に多くの販売代理店があるほか、海外での調達にも対応できるよう、アメリカ、欧州、中国、台湾、東南アジア各国にも代理店を置き、幅広いニーズに応えられる体制を構築している。
歯車を便利に使ってもらえるよう、追加工を最小限に抑える完成品に近い商品を提供している同社では、1つのサイズに対して複数の形状を展開している商品が多い。豊富なラインアップは、モノづくり事業者からの支持を得る一方で、営業支援グループが担当する受注業務に関しては悩みの種になる場面が多かった。
煩雑化して不安が多かった、FAXでの受注業務
「以前の受注業務はFAXを中心にしたものでした。取引先の販売代理店からの注文をFAXで受領し、わたしたち営業支援グループが、一つずつ在庫確認を行った後、納期回答をFAXで送付していました。受注内容は、弊社の基幹システムへ手入力をしていきます。その情報を元に、出荷チームへの発送依頼をするのが受注業務の一連の流れでした」(佐藤さま)。
当時、年間約2万件の注文を4名の営業支援グループメンバーで対応していたという。FAXでの注文は、記載ミスや不明瞭な文字、“送った・届いていない”などのさまざまな理由で取引先とのやり取りが頻繁に発生していた。
そして、注文内容をシステムに手入力する作業も大変だった。FAXで受注した紙を見ながら、一つ一つ丁寧に基幹システムへ入力をしていくのだが、このデータが実際の出荷へ直結するので、入力を間違えると顧客との取引に悪影響がでる可能性が高い。この点が、営業支援グループにとって大きなプレッシャーになっていたのだ。
「歯車は、部品や製品に合う形状に加工を施してから組み込まれます。これを“追加工”というのですが、もし間違えて発送をしてしまって、納品先工場が気付かずに追加工をしてしまった場合、取返しがつかない事態へ発展する場合もあります。以前は、出荷先・品番・品名・数量など、色々な登録を手入力で行う必要があったので、大きな心理的負荷がかかっていました」(佐藤さま)。
そして、同社西日本側の支店でも別の受発注作業が発生していた。各支店が担当する取引先の注文は支店受注担当者が取りまとめを行い、営業支援グループへ注文のFAXを送付していた。
「色々な場所での煩雑な作業やミスへの対策として、全社的に業務改善を行う方針になったことで、何か良策はないかと探して知ったのが、TS-BASE 受発注でした。弊社の基幹システムとの相性も良かったので導入を決定しました」(佐藤さま)。
TS-BASE 受発注の導入は業務環境を大きく変えた
TS-BASE 受発注の導入後、営業支援グループの業務は大きく変わった。
「TS-BASE 受発注を導入後、運用が定着した現在は、受発注業務に関わるメンバーは2名になりました。手入力もほぼ無くなりましたし、気持ちに余裕がある状態で以前と同様の注文数をこなせているので、ポジティブな導入効果を実感しています」(佐藤さま)。
取引先からの注文は、全てTS-BASE 受発注の注文サイトを介したWeb注文になり、FAXでの受注はなくなった。注文情報は協育歯車工業の基幹システムとデータ連携され、出荷情報として一気通貫で活用されている。入力ミスによる滞留もなくなり、業務のスピードが格段に上がった。
そして、協育歯車工業の出荷チームが作業を行うと、基幹システム上の在庫数が変動する。最新の在庫数はTS-BASE 受発注と連携され、取引先が観覧する注文サイトへ反映される。注文時に在庫数を確認できるようになったことは、取引先にとっても生産計画が立てやすくなり、在庫切れによる再調整への心配もなくなった。取引先・協育歯車工業の両者にとってメリットだといえる。
「支店の注文業務も整理され、運用も全社で一本化されました。受注業務全体の5割ほどの業務改善ができたと感じています。今後は、取引先さまへの更なる利便性向上を考えて、創意工夫をしていけたらと思っています」(佐藤さま)。
商品検索方法にひと工夫をして利便性を向上
協育歯車工業は、約3000種類(2024年10月現在)の商品を提供しているため、当初から商品検索に対する懸念は多くあった。TS-BASE 受発注では、大・中・小3段階の商品カテゴリが設定できるので、商品検索をしやすいように工夫をして、求める商品に最短でたどり着ける対策をしていた。
それでも、「商品検索ができない」という声が挙げられた。原因は、協育歯車工業で設定している品番にあった。例えば、「TS 004base」というように、品番内にスペースがあると、同様のスペースを入力しないと検索結果に反映されなかったのだ。
「原因が分かったので、スペースの有無を問わず検索結果に反映されるような設定変更をしました。TS-BASE 受発注の注文サイトは、商品名や品番以外の言葉も検索結果に反映できる方法があるので、商品を探しやすくなる工夫を施せるのも良い点だと思います」(佐藤さま)。
その他にも、歯車の形状が分かるように写真を掲載するなど、取引先の理解が深まるような工夫もしている。FAXでは文字情報のみでやり取りが行われていたが、Webの画面上だと視覚を活用したさまざまな情報から商品を知ってもらうことができる。佐藤さんは、これからも小さな改善を続け、便利に使ってもらえるようにしたいと話した。
▼TS-BASE 受発注の詳しい情報はこちらをご覧ください。
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